本年秋の開院(仮称:たばる動物病院)を目指して準備中ですが、なにせ計画を思い立ったのが昨年末ですから、それまでいくつかのハードルをクリアしなければなりません。
第一のハードルは開院地の決定(取得済)、第二のハードルは設計と建築会社の選定、第三がが医療機器の選定・見積、第四がスタッフの雇用、そして最後が最新の獣医学知識を習得することです。
最後のハードルを除いて、その他はどれも私だけの思いだけで叶うものではありません。不動産屋さん、ハウスメーカーや工務店との綿密な打ち合わせと見積合わせの末の業者選定、医療器械メーカーや取扱代理店さんとの価格交渉など、どれをとっても他力本願の難物です。
それに比べて獣医療知識の吸収は自力本願、自己責任であり、時間を持て余している私にとっては、やるかやらないかの問題です。
私たちが大学院生や就職したてのころ(30年以上前)の専門知識や技術の習得の手段は限られた状況でした。教官や先輩の見よう見まねであったり、語弊があるかもしれませんが我流もしばしばでした。(意外に我流の方が的を得ていることも少なくありませんが。経験とはそういうものです。)
幸いにも最近の情勢は随分と変貌しました。殊にコロナ禍とその後は、それ以前と比べてその習得の方法は隔世の感で変革を遂げています。
具体的には、
1.事前登録すれば、「オンデマンド」の視聴が可能です。数か月は視ることができます。誰も身はひとつですから会場参加では直に聴ける講演の数は限られます。かつ一度に限ります。オンデマンドでは何度でも理解できるまで繰り返し巻き戻せます。
2.手術手技の動画も購入すれば半年間、いつでも何回でも視聴できます。百聞は一見に如かず、その通りです。
3.最新の知識は、学術雑誌(年間定期購読も可能)の購読で仕入れます。
4.そして基本は何と言っても「成書」を読みこなすことです。学会での発表や雑誌の内容が必ずしも「正義」ではありません。はったりも稀ではないのです。
5.そうい意味では成書の読み込みが「正義」でしょう。学会やメジャーな学術誌に発表されたものでもその信憑性、言い換えれば「真作」として認められ、それが成書に掲載されるまでは少なくとも数年を要します。余程のことが無い限り(特別の場合を除いて)、成書に従うことが安全運転なのです。患者さんにとってマイナスとなることも最小限であると、信じます。
6.では成書の購入はどうすればベストなのか? 幸い宮崎市内にも代理店が存在し、依頼すれば見本を実見することができるのですが、20冊も30冊もとなると対応できないようです。そこで妙案に辿り着きました。それは都内のある大型書店には獣医学の専門書を網羅しているとの情報を得ました。成書1冊で銀座の江戸前鮨にありつけるものもありますので、どうしても実見してからでないと購入の踏ん切りがつかないのです。
つづく。



