いつもながらのWikipedia を拝借させていただきますと、
「薩摩犬は薩摩の猟犬としてイノシシ猟で活躍していた。また、ウサギを狩るのにとても適してた。西郷隆盛もこの犬を愛し、「ツン」という名前のメス犬をよくかわいがっていたという。(略)・・・昭和の終わりごろ、鹿児島県の旧下甑村の山中で純血種の血統を色濃く残した犬が生き延びていることがわかり、1989年から交配を重ね、1996年に血統が安定するといわれる4代目7匹に薩摩犬として初めて血統書が発行された。国および県の天然記念物には指定されていない。2000年までには100匹近くに数を増やしたが、保存会のその後の活動が頓挫し、2010年頃までに再び絶滅してしまった。」
ということです。
前回の新田犬も残念ながら絶滅してしまいました。
林良博先生の「日本から犬がいなくなる日」を読んでみて、新犬種の創出に当たっては、今流行のミックス犬のように興味本位でブリーディングするのは御法度であり、あくまでも使役犬のような目的をもって行わなければならないということが、よく理解できました。※使役犬とは、猟犬、回収犬、盲導犬、介護犬、警察犬、災害救助犬などです。
犬の多くは生後1年以内(母犬の体への負担を考えると生後一年以上もしくは2回目の発情以降)に繁殖が可能となりますから、ブリーディングで目的の新犬種を作成することは、理論的には必ずしも非常な困難を伴うものではないと考えられます。が、それが真に使役犬として普遍性をもつかどうかです。
薩摩犬の「ツン」は、イノシシやウサギの猟に使用する使役犬でした。関係者の苦労で、ほぼ先祖返りが出来たにもかかわらず絶滅種となってしまいました。その大きな原因はハンターの激減によるところが大きいのでしょうが、猟犬の気性の面から、果たしてペットとして飼うことは並大抵でなかったのか。薩摩犬の復活後、なぜ絶滅に追い込まれたのか、繁殖に直接かかわった人々の話を聞くしかありませんが、現在の私奴には無理な相談です。
日本ペットフード協会が調査した資料によると、2008年に1310万頭いた日本の犬が、2022年では705万3000頭に減少し、さらに今から16年後の2040年には今の半数(約350万頭)にまで減るのか・・・・・・という譚です。
つづく。次回は、何故に犬の飼養頭数が激減するのか・・・・・・という譚です。