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1月28日(水)-怖ろしき「あべこべ」-

 「あべこべ」とは、近ごろ随分と耳遠くなったが、毎度の広辞苑によれば「物事の順序や位置が、本来のあり方と逆であるさま。」の意味である。
 今朝のワイドショーで、○川○彦の病気について、別居中の細君・○丘○路がインタビューを受けていた。○路さんの顔を見るや、3年前に他界した義父の話をふと思い出した。義父は絵画と囲碁が趣味で、そんじょそこらの画商や学芸員(キュレーター=curator)よりは余っ程、絵に対する造詣が深かった。
 ある時、「伊東深水という画家は、あの○丘○路の親父なんじゃが、あんた知っちょたかねぇー。」と、碁会所である人物に訊かれたそうだ。
 親爺(義父)さん、小生に曰、「あべこべだよねぇー。伊東深水の令嬢が○丘○路だよ。ものを知らんとはこのことだよねぇー、・・・・・」。
 日本の「美人画」の三大巨匠は、上村松園(1875-1949、女流日本画家、京都、竹内栖鳳などに師事、1948年女性初の文化勲章受章)、鏑木清方(1878-1972、日本画家、東京、水野年方に師事、1954年文化勲章受章)、そして伊東深水(1898-1972、日本画家、鏑木清方に師事、芸術院会員)である。現在の美人画は「婦人画」といい、3巨匠の時代のものと区別されているから、今後、「美人画」が描かれたとしても、ジャンル(genre=仏)として分類されることはない、という。
 松園の美人画は「良家の清澄な美人」、清方のものは「下町風俗や当世風の美人」、そして深水は「妖艶美人」と評されよう。3巨匠の画風の相違は一目瞭然である。深水の「雪中、日本髪を結い、ちょいと後ろを振返る傘美人」は、妖艶で色気ムンムンである。
 小生贔屓はもちろん「深酔」、飲んでも飲んでも「酔えーン」とのたまう女性が・・・・・。

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