東京での贅沢も人それぞれであろうが、小生の「贅沢」を一寸。まずは飛行機の座席であるが、行きは富士山の見える左列窓側を早々にネットで抑えなければモッタイナイ。「富士には月見草がよく似合う」のフレーズで有名な「富嶽百景」の太宰治(1909-1948)が上空から富士山を見たかは知らないが、誰にとっても、そしていつどこで、どうあろうと、「不二山」である。
準備(用意)万端ととのって羽田空港に着いたら、まずは空港ターミナル内の「靴磨き屋」を訪ねることだ。福富太郎氏(1931年生まれでキャバレー「銀座ハリウッド」で有名)の言うように、仕事以外の靴は上等であってはならないが、きちんと磨かれていなければならない。10分弱の時間で600円。幸先のよいスタートが切れそうで、それになんだかリッチな気分になれるから、高いとは思わない。
ホテル選びも重要である。東京と言えば、「東京タワー」である。ネットを駆使してタワーが見えるホテルと部屋を、それも格安でゲットしなければならない。先週宿泊した「インターコンチネンタル東京ベイ」(港区・竹芝)は22階の広々とした3人部屋が23,300円(一人1泊7766円)で、ライトアップされた「東京タワー」がバッチリ拝観できたから嬉しい。ホテルに着くと、20階のラウンジではフリーのドリンクと軽食のサービスがあり、朝食も付いてのこの料金である。宮崎の○○○○○・45や○○観光○○○でも1万円を下ることはないから、東京でしかもこの時期の料金としては、やはり格安であろう。東京ベイは東京湾に面しており、アクセスが不便かと思われるが、JR浜松町駅から徒歩8分と許容範囲内である。
名所・旧跡や美術館、展覧会などは事前に情報を入手しておき、必ず1ヶ所は足を運ぶ。たとえば、竹橋の「東京国立近代美術館」や上野の「東京芸大美術館」、東京駅(京橋)の「ブリヂストン美術館」、「浅草寺」、港区・高輪の「泉岳寺」(1612年家康が創建、四十七士の墓所)、上野の「鈴本演芸場」など・・・。今回は「東京国立近代美術館」と「山種美術館」が近い皇居・千鳥ヶ淵の満開の桜を堪能させてもらった。遠目に花枝が淵の水面に着いてしまいそうな桜群と高層ビル群が不思議とマッチしているのが、エクセレントであった。
帰りの飛行機は最終便でないといけない。行きとは逆の右列窓側を選ぶ。スペースシャトルには遠く及ばないであろうが、離陸間もない京浜一帯やはるか眼下に見える名古屋の夜景は見飽きることがない。夏季の夜に見られる富士山の稲光は恐れおののく絶景である。運がよければ、能登半島辺りの稲光まで見れるから、なんとも神秘的である。
東京での東京でしか味わえない「東京の贅沢」について能書を並べてみたが、ハッピーな旅にするにはそれなりの努力も必要である。出発の4~5日前から、肉類など高カロリーな食物は避け、酒量もいつもの半分に慎み、体脂肪は最低でも2キロ搾(しぼ)っておく。そうすれば旅の愉しみは倍化、3倍化すること請合いである。