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6月29日(月)-もう、「勝手にしやがれ知事」の男を下げる作法-

 日本では、酒が入っての政治や宗教の話は嫌われるが、地球の真裏のアメリカでは「政治や宗教の話をせずして、何を語るのか」という。

 今、永田町と霞ヶ関が戦々恐々としている。永田町は間近に迫った衆院選での落選が、霞ヶ関は脱・官僚と地方分権が現実味を帯びてきたことにある。いずれも高飛車な「権力と権限」の喪失を意味する。国民の半数以上は、「1回は民主党にやらせてみて・・・・・」と思い、「自民党のマニフェストが如何に立派なものでも、今の自民党や公明党では日本や霞ヶ関を変えられない・・・・・」ことを知っている。何故なら、長年の政権与党でありながら、何ら実行できていないからである。
 ある動物病院の院長が名付けた「マンゴウ知事」、別名「地鶏知事」が世間を騒がせている。馬鹿にしてもしきれない政界を愚弄しているのは滑稽である。おちょくるどころか虚仮(こけ)にしている。某・選挙対策委員長がわざわざ宮崎に来てくれたことを良いことに、「総裁候補」という爆弾を投げた。事前の申し合わせなぞどうなっていたのか。訪問者を虚仮と鴨にして、うまく利用した感じで、正直ちょいと印象が悪い。
 思い起こすせば、さほど遠くない2年半前、「草の根」と早稲田仕込の「マニフェスト」を掲げ、当選した。「しがらみ」がないので、建設業関連の入札制度改革には手腕を発揮する。一方で、横山ノック、石原慎太郎(都知事、作家、元運輸相)に次ぐタレント知事としてマスコミにもてはやされ、「地鶏」と「マンゴウ」を全国区に伸(の)し上げた。県庁を観光名所にし、物産館の売り上げを驚異的な数字にした。地鶏の売り上げは1.5~2倍に伸びたという。
 タレントの血と性(サガ)の騒ぎか知ったことでないが、悪く言えば「テレビ露出狂」、単純には「目立ちたがり屋」とでも言おうか、毎週金曜の最終便で上京し、テレビとデパートで宮崎を売り込み、3泊して月曜に帰庁する。仕事と羽根伸ばしが同居していて、羨ましい。「鳥インフルエンザ」や「台風」、「地震」では上京しないが、「不発弾処理」ぐらいは勘弁してよ・・・か。危機管理意識の甚だしい欠如には驚く。当初週末に行っていた農家の青年との懇談会はどこへいったのか。マンゴーも地鶏も売れるに越したことはないが、マンゴウを売ってなんぼじゃ・・・、地鶏を売ってなんぼじゃ・・・、の世界である。
 県の財政健全化の進捗はどうなっているのか。数年で夕張市や阿久根市のようにはならないのか。後継問題はどうなのか。・・・・・など、知事就任時に比べて問題が減るどころか、反対に増えているのである。改革や改善が「地方分権」と表裏一体であることは分かる。しかし、分権を勝ちえたとしても、現在横たわる行政の諸悪は何ら解決されない。県民の目に見えない部分の詳細な説明が責務である。
 「俺ならば、県の舵取り位は片手間で何らそつ無くこなせる」と考えていたら、とんでもない。もともと自民党[嗜好]で、民主党からはやや冷ややかに思われているから、取り敢えず熱心な自民党から出馬して、大阪の橋下知事に先んじようと考えたのであろう。仮に民主党が政権を獲得しても、霞ヶ関の官僚打倒と地方への権限移譲は覚束無(おぼつかな)い。そうなれば、政界大編成が起こるのは想像に難くない。終着駅の首相になるには、橋下知事はじめ改革派で名のある首長や極一部の政治家らを、競馬ではないが、今のうちに「頭と首の長さ」、そう「クビ」差ほどリードしておく必要があると考えたに違いない。
 宮崎県民は寛容であるというが、馬鹿が付くほど、お人好しである。そのまんまのギャグに翻弄され、騙されたのではないかと、半信半疑の人もいるであろう。次なる県の首長の適任者は誰であるか、発掘・模索する時期が来ている。今度こそ、真の、命を賭した人材を選ばなくてはならない。
 民主党の幹事長から「支離滅裂の知事」と銘打たれた。危惧するのは、首相という最終目的のためなら、ところ構わず、主義・主張も容易に変わるということである。例は悪いが、ヒトラーや東條英機もそういう面が強かった。どちらも必ずしも成績は良くなく、東條英機は陸軍兵学校を3回受験し、ようやく合格した。いったんトップ(総裁)に登りつめると独裁振りを発揮し、自分に批判的な人間を最前線に送ったのも事実である。マンゴウ知事に限ってそういうことは無いと思うが、なりふり構わないところを見ると、ちょいと心配である。
 それに、ここ最近の「退職金減額」や「総裁候補」の「東国原シアター」も自身を売り込むための見え見えのパホーマンスとしか思えない。男を売るとか男を上げるというよりは、男を下げた言動である。彼の「作法」に何とも言いようのない「汚さ」と「白け」を感じる。
 「永田町(国会議事堂)から日本を変えることで、宮崎も良くなる。」、なるほど分かりやすい。道を踏み外さないよう、有権者をギャグで蹴散らさないよう、持ち前の勉強熱心さと地道さで精進してもらいたい。
 
 ある日の、ある焼酎食れアメリカ人の、ある居酒屋での、しがない「政治談議」でした。おわり。

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