宮崎から福岡へ引っ越した方が、宮崎に里帰りして来院した時に、「福岡の動物病院の診察料は高い。犬がちょっと吐くのでも、5万円は持って行かないと不安だ。」と話す。どの業種でも地域によってピンキリで、地域内でもこれまた「ピンからキリまで」ある。動物病院や高級鮨屋、本格派の日本料理屋なんぞは、俗に言う「闇と暗黙の協定価格」というものが存在しないときているから、質(たち)の悪さでは最たる業種である。
前回の「親仁ギャグ」は、ホームページで公開されている夜間救急動物病院の料金を示した。各病院のアンダーラインをクリックしてもらえば料金表示に辿る。医療では美容形成や歯科等の一部を除き、診察料は保険点数により全国統一されている。東京でも宮崎でも、(医療技術のレベルはさて置き)一律の医療費で診察を受けることができる。一坪当りの土地単価は銀座の鳩居堂の7,000万もあれば、宮崎の調整区域の田圃の10万円までのピンキリであるから、宮崎の開業医は割がいい。尤(もっと)も銀座の一等地を買って病院を建てる医者は、まずいないであろうが。動物病院の料金設定は自由であるが、自ずと購入地代や人件費、地域の所得レベル、物価などに左右される。病院の建築費は都市部で多少高いだろうが、医療器械や薬品などの消耗品に関しては、基本的に同じである。
当然の如くに地域差、地域内差は歴然として存在するのが商売の面白さと言ってしまえば、それまでか、おしまいかは知らぬ。真偽の程は兎も角、全般に「福岡は宮崎の2倍、東京は宮崎の3倍」(技術を要する手術や高度医療ほど、地方との格差が大きい)というのが動物病院料金の相場である。高い安いは病院だけで決められるものではなく、あくまでもお客の満足度に依存する。片田舎の動物病院は顧客の満足度の向上に努力・邁進するしかない。
以下に「宮崎犬猫動物病院」(夜間救急)の料金の一部を示す。
初診料 1,500
再診料 1,000
時間外料金 19時以降2,000、20時以降3,000、22時以降5,000
血液検査:全血球測定 1,000
血液生化学検査 1,500~
血液塗抹検査 1,000~
エコー検査 1,000~
超音波画像検査(エコー検査) 1,000~
レントゲン検査 3,000~
細胞診(FNAなど) 1,500~
尿検査 1,000~
糞便検査 1,000~
皮下・筋肉内注射(1本あたり) 500~
静脈内注射(1本あたり) 800~
皮下点滴 1,500~
静脈点滴 3,000~
耳洗浄 1,000~
催吐処置 2,000~
導尿(尿カテーテル) 1,500~
膀胱洗浄 1,500~
尿道閉塞解除 3,000~
胃洗浄 5,000~
酸素吸入 2,000~
骨折外固定 3,000~
小切開・縫合(咬傷など) 3,000~
傷洗浄 2,000~
ドレイン処置(膿瘍など) 3,000~
心肺蘇生 10,000~
ガス吸入麻酔(イソフルレン) 5,000~
静脈内麻酔 2,000~
内視鏡による異物摘出など 60,000(※麻酔・血液検査・点滴など全部含めて)~
帝王切開 100,000(※レントゲン撮影、エコー検査などを含めた全ての料金。麻酔・手術料は70,000~)~