「他人の空似」とはよく聞くが、その意味は「血すじのつながらない間柄で、偶然に容貌などがよく似ていること。他人の猿似。」(広辞苑)である。「世の中にゃ、似とる人間が3人は居(お)るげな。」と田舎の昔の人に聞いた記憶がある。もしかしたら、7人だったかもしれないが・・・。
これは笑い話ではなく、実話だが、昔の田舎には「落とし種(だね)」と称して、兄弟のように良く似た人がいた。「浮気」の賜物であろうが、いまのように避妊法がなく、堕胎を思うもそう簡単に叶わなかった時代のことだ。
写真は本院のスタッフ(右)が飼っている約5ケ月齢の雌の雑種犬。3か月前に病院に持ち込まれた捨て犬を彼女が飼い始めた。左の犬はこれも数ケ月齢で、つい最近避妊手術をした雑種。良く見るに、当たり前だが、「クローン」ではない。しかし、なんだか他人事ではない「他犬の空似」。同じ宮崎市内生まれの可能性が高いから、彼女らも「落とし種」の賜物かもしれないが・・・。(離し飼いがふつうであった30年くらい前までは、もちろん珍しくない話であった。)