●吉川英治(1892-1962)がそもそも「三国志」を執筆するきっかけは昭和12年(1937年)7月からの日中戦争であり、いわゆる従軍記者として中国に渡った折りに「大陸の巨大な風土と悠久の歴史の流れに心打たれたから・・・」。また、少年の頃から久保天随訳の「演義三国志」が愛読書であったから。吉川英治の三国志は湖南文山の「通俗三国志」訳が元であり、新聞小説として1939年から1943年の4年間、折しも戦争真っ只中の連載である。元来「三国」とは「中国で、後漢滅亡後、魏・呉・蜀の3国が鼎立(ていりつ)した時代。220年魏の建国に始まり、280年晋の統一まで」(広辞苑)。その主人公は魏の始祖である曹操(155~220)と蜀(漢)の創始者である劉備(161~223)、それに呉の初代皇帝である孫権(182~252)との、分り易く言えば日本の戦国時代の「国盗り合戦」といったところか(親仁釈)。ところが「三国志」は時代小説や物語ではなく「正史」(唐代初期の太宗により三国時代の正史として勅撰)という肩書であるからして満更脚色漬けではない。著者は蜀出身の晋(263~304、司馬炎が魏を奪い建国し晋が呉を滅ぼす。263年には蜀は魏に滅ぼされる)史官陳寿(233~297)で「魏書」30巻、「蜀書」15巻、「呉書」20巻から成る。つづく。4月6日。
●今や「ゆとり世代」は死語。流行は「さとり世代」だ。「物心ついた頃から不景気で、浪費贅沢を悪、倹約を良とする。実にまったりとしていて、平穏な生活を切望する草食系世代・・・・・・」と定義(?)される新語である。その具体的な特徴は①車に乗らない、②ブランド服を欲しない、③スポーツをしない、④飲酒を好まず、⑤旅もしない、⑥恋愛に淡泊、⑦貯金所望、⑧DVDの新作レンタルで贅沢気分に浸る、⑨自分で納得したものには金を出す・・・・・・。なるほど・・・。つづく。4月5日。
●その時々の政権の人気取りと言ってしまえばそれまでだが・・・親仁としては、官房長官の会見内容がちょいと気になる。「両人の師弟関係を考慮して・・・」。ミスターこと長嶋茂雄氏が如何に偉人であるか・・・今の若い人には分るまい。その証拠に、「トラキチ」という名前の犬はその謂れを何となく理解できるようだが、「ミスター」は解せないようだ。王貞治氏が同賞をもらったのが1977年(昭和52年)で当時37歳、鉄人こと衣笠祥雄氏はその10年後の1987年(昭和62年)で当時40歳。衣笠氏が受賞した時は、「ミスターはどうしたの?」というのが野球ファンの正直な気持ちであったろう。イチローの同賞辞退理由は若輩であることと記憶するが、もしかしてミスターを差置いて・・・という気持ちはなかったろうか。ダブル受賞は、松井氏以上にミスターが偉人であることを世に再認識させる意味で歓迎すべきであろう。素直に喜ばないとミスターに失礼千万である。安倍ちゃんの「ファインプレー」としてやるか。4月2日。
●正直、松井が果てしなく羨ましい。ミスターと喜色満面に並んで国民栄誉賞が貰えるんだから。そもそも王(ワン)ちゃんと同時か、その前に受賞すべきであった。スポーツが文化なら文化勲章でも何ら抵抗はないレベルのミスターだ。ノーベル賞をもらった後に、慌てて追うように文化勲章を与える、このお国の勲章選考はやや傾首ものだ。いかにも世界一とか金メダルとかに、やたら拘る人種なのだろう。ミスターは誰よりも日本人に夢と希望を与えてくれた、誰よりもサービス精神満点の、ナンバーワンなのに。4月1日。
●農協が既に実質的には企業法人であることを疑う人はいないであろう。規制緩和で、例えば企業(トヨタかもパナソニックかも楽天かもローソンかも・・・たばる動物病院かも)が農地を借りて農業経営を行うとした場合、現在の農協と農家との関係と何が変わるのであろうか。きょうのWBSはオランダと日本との農産物輸出の状況を比較している(写真有)。図星と、オランダが国を挙げて如何に農業の6次産業化を推進しているかを示している。日本の農業は前途洋洋なのだ。非観するなかれ、むかし「明るい農村」って番組もあったではないか。4月1日。