●韓国仁川で開催中のアジア大会。テレビから見える視界ではどの会場も観客の入りがイマイチで活気が伝わらない。韓国では今年4月16日に発生した大型旅客船「セウォル(世越)」沈没事故以来、1本の法案も議会を通過していないらしい。大統領に対する野党や国民の信頼欠如が原因とのことだ。事故のショックがあまりにも大きすぎて韓国民は正直、スポーツの祭典で浮かれている気分になれない・・・・・・というのが本音なのだろう。きょうの御嶽山の(水蒸気)噴火。汚染水処理や廃炉問題、それに福島の復興など2020年までに目途を付け解決しなければならない難問は山積している。大きな騒動になるような事件事故が発生しないよう、国民皆が気を引き締め一致団結して奮闘努力することだな。9月27日。
●こそこそ(人目につかないようこっそり)と他人の所有物を盗むのが「こそ泥」。どこにも少数ある。(石川五右衛門(安土桃山時代の大盗賊・1558?~1594)のような大泥棒はどの国にもそんなにいるもんじゃないし、いては困る)。アジア大会日本代表選手が韓国で「こそ泥」を働いた。50万円相当のカメラという。サッカ―ワールドカップでは日本人サポーターの観客席ゴミ持ち帰りが世界から絶賛されたばかり。拾得物の多くは持ち主に返るのが普通の国、「ニッポン」。有吉佐和子の「華岡青洲の妻」で青洲の母親「於継」(おつぎ)が本陣(紀州藩徳川家の大名が宿泊する家)である妹背佐次兵衛(いもせさじべえ)の娘・加恵(かえ)を嫁にと所望した折の妹背夫婦の会話を紹介しよう。「(青洲が)『阿呆やという話を聞いたことがあるわい』佐次兵衛(=加恵の父親)はにべもなく云ってのけた。先刻からずっと彼は不機嫌なのである。『それは私(=加恵の母親)も聞いたことがありますのよし。落しものを拾うて街道筋で旅のひとが拾いに戻るまで小一日じっと待っていたとやら、村芝居がかかっても誰に誘われても出やなんだとか、山にもぐりこんで一日薪をとるでなし、ぼんやりと草摘みしているとやら』『ええ若い者のすることやないわしてよ。そんな智恵の足らん者に、お前は加恵をやりたいのか』『それでも噂は貶すもあれば褒めるもありで、その割合は半々ですがのし。寺子屋に通わせず華岡先生(=青洲の父の直道=なおみち)直々に読み書きを教えなしたとかで、そやから村の人らには実の力が分りませんのやろ。ひとによっては阿呆であるものか、恐ろしく利発なやと感心してなさるのも多いんです』」(pp.30~31)。青洲に限らない、日本人生来の尊ぶべき道徳心。よりもよって外国でかつ大きなスポーツ大会で、しかも代表選手が「こそ泥」の恥さらしでのし。9月27日。
●前にも書いたが日本の常任理事国入り問題。国連演説で活躍中の安倍ちゃん。ファーストレディーの英語スピーチも「秘密兵器」かも。このところの中国・韓国包囲網の「積極的外遊」。国連でのスピーチは「常任理事国入り」を睨んだものか。常任理事国になれば歴史に名を残す総理になれるからか。「イスラム国」に対する「有志連合」の「イラク・シリア空爆」。枠増で常任理事国を狙っている国は日本、ドイツ、ブラジル、インドの4国。現実では、国際連合よりも「有志連合」の方が格上。常任理事国ともなれば、よりアメリカへの追随、追従が要求されるのは必至であり、「集団的自衛権容認・行使」と「海外派兵」は必須か。安倍ちゃんはなし崩し的にそれを策略してはいないか。その前にちょっと待てよ。国連が「有志連合」や「NATO」より劣位であることは許されるべきか。殊に「常任理事国の拒否権」たるや、世界200余国の発言権を無視する形。常任理事国入りによって国連を改革改善しようとするのか、その代償はちと大きく危険過ぎないか。「有志連合」とはなんとも胡散臭い怪しげな響きだ。どこかの大学の同好会か飲み会の俄か幹事みたいじゃの~。9月26日。
●「見ると訊くとは大違い」に負けず劣らずに「読むと訊くとも大違い」だ。有吉佐和子の「華岡青洲の妻」は1966年に刊行されたそうで、恃みのTSUTAYAでも品切れでかつ出版社にも在庫がないという。そうとなればアマゾンに世話になるしかない。その「華岡青洲の妻」を読み終えるに、内容は華岡青洲の業績よりも青洲の実母「於継」と妻の「加恵」の間に巻き起こる嫁姑戦争の小説である。青洲を溺愛する御両人の泥沼な確執をここまで書き下せるのは、男性には到底困難であり、女流作家でも相当ハイレベルでなけりゃ無理だな。それでも「親仁ギャグ」のネタはゲットしたのでよろしい。そこで以前に書いた「華岡青洲」についての親仁文を紹介。2007年8月15日のことだ。●華岡青洲は1760年11月30日、和歌山県の医者・華岡直道の子息として誕生。日本麻酔科学会のホームページによると、「華岡青洲は1804年10月13日、世界で初めて全身麻酔下に乳癌摘出術に成功した外科医です。この偉業は広く世界で知られたハーバード大学におけるモートンによる全身麻酔の公開実験の約40年前のことです。」とある。○そのあと、「青洲は、麻酔という概念すらなく”痛み”に耐えることが美徳とされた時代に、実験を重ね朝鮮アサガオを主成分とする”通仙散”を合成し、自分の母親や妻をも実験に使ってこの偉業を成功させたのです。この偉業は1954年シカゴで行われた国際外科学会に発表され、その栄誉館には現在も青洲に関する資料が展示されています。」と続く。○青洲は診療の傍ら麻酔薬の開発に執念を燃やしていた。創薬のヒントは、3世紀頃中国の名医・華陀が曼茶羅華(朝鮮アサガオ=中枢神経作用の強いスコポラミンを含む)を使用して手術をしたという記録であるとされる。当時も今と同じで麻酔薬があれば多くの患者を救うことができた。青洲の妹の「おかつ」は31歳で乳癌を患い亡くなっている。青洲は鳥や犬、猫を使って実験を繰り返した。三毛猫の「まふつ=麻沸」で成功した後、母親の「於継」と妻の「加恵」は人体実験台となり、「加恵」は失明した。青洲自身も副作用で下肢の神経障害を遺した。そして1804年10月13日、遂に「其の時」を迎えたのである。この間20年の歳月を要した。以降、76歳で没するまでの約30年の間、乳癌手術だけでも153例を数えた。「春林軒」で学んだ門下生は1861名に及んだ。○「通仙散」は曼茶羅華、草烏頭(ヤマトリカブト)、白止、当帰、川弓、半夏、天南星の6種類の調合より成る。「十味敗毒湯」は紫胡、桜皮、桔梗、川弓、ブクリョウ、独活、防風、甘草、生姜、荊芥の調合薬。「紫雲膏」は当帰、紫根、ゴマ油、蜜蝋、豚油を含む。○青洲の生誕地、今の和歌山県紀の川市平山近辺では、当時犬が居なくなるほど実験台に供されたという。二百年も前に創薬された薬が、現在の動物の、しかも比較的難治性である疾患の治療に役に立っている事は、無性に感慨深い。医聖に感謝、感動、感服。○これを書きながら、萬屋錦之介演ずる叶刀舟の悪人狩り「破れ傘刀舟悪人狩り」の、ある1話中のナレーションを思い出した。日本で最初の帝王切開が行われたのは天保年間(1830~1844)とあった。刀舟は架空の人物だが、年老いた華岡青洲(1760~1835=天保6年)が麻酔医で、油の乗った刀舟がメスを持ってコンビを組んでいたら、これは最高にオモシロイし、ウレシイ。(2007年08月15日記)。医者を志す若者へというよりは「花嫁修業」の一環としてのお薦め本。是非女性だけでなく新郎(野郎)も読んでみたら。9月25日。
●1カ月の経つのが早い、俄然1週間の経つのは早い。昔人曰、「光陰矢のごとし」と。ついでにその類似語を探った。「烏兎匆匆(うとそうそう」・「月日(つきひ)に関守(せきもり)なし」・「歳月人を待たず」。月日に追われる理由のひとつが「ワン・ニャン譚」のネタ探し。次月のシナリオ原稿が出来上がる時点ではその次次月の「小説」(本)を発見してなくてはならない。今までのストックが減りつつある。犬猫の書籍は少なくないが、写真物も多く、小説や随筆も作家によっては偏見充満で押しつけがましい主張も多多ある。周囲に乞うのも癪に障るので孤軍奮闘するしかない。2週間に1件発掘すれば間に合うが、そればかりを探して読書するのも空虚過ぎる。昔の記憶辿りをして「そういえばあの本には犬猫の記述があるに違いない」とばかりに書店やアマゾンで買い求め、場合によっては図書館通いが趣味のスタッフに頼んで借りて来てもらう。その記憶が当ったときはことさら嬉しい。最近のヒットは有吉佐和子の「華岡青洲の妻」。親仁の尊敬敬慕することこの上ない華岡青洲・・・・・・乞うご期待(11月の放送予定)。類似のようなそうでないような、でも月光仮面も誰もが知っている諺がもうひとつ。「少年老い易く学成り難し」。これには耳が痛い。読書はあくまで自身の成長のため。きょうは死語化した「暑さ寒さも彼岸まで」の「秋分の日」。9月23日。
●いつもは視ない「情熱大陸」。きょうの主人公は塾経営者(名古屋市)。毎日のように「ココイチ」に行って決まって必ずカツカレーを食するそうな。食通なのか、真逆のこだわらない派なのか。野菜もキャベツとレタスと白菜の区別ができないそうだから、どう贔屓目にみてもグルメではないようだ。かれ曰、「有史来、日本人が発明したものでこのカツカレーに優るものはない。iPhoneも勝てない。」。日曜のニシタチはネオン灯が暗いし、それも秋の夜長、年寄の時間つぶしには酷でもあり、苦痛でさえもある。例の丸谷才一の「食通知つたかぶり」(中公文庫)を読んでいると、「情熱大陸」の主人公の迷言を想起する件に遭遇した。紹介しよう。「しかし、フランス料理といふ名の、つまり本当の洋食もいいけれど、実は何を隠そう、日本洋食といふ妙なものもわたしは大好きである。誰かの説によると、トンカツとカレーライスとそれから何かもう一つが日本三大洋食なのだそうだが、そこまで徹底しなくても、たとへば神楽坂の田原屋の洋食なんてじつにうまい。・・・・・・」(p251)。田原屋は文豪、夏目漱石(1867~1916)も通いつめた神楽坂の代名詞のような洋食レストランだったそうだが、2002年に閉店したそうな。ちなみに漱石はオムライスが所望だったとか。大正時代(1912~1926)の三大洋食の残り一つはコロッケとか。「田原屋」のヒビキも文句ないね。親仁も「ココイチ」ファンだ。浮気なしの定番は「ポーク普通盛3辛」と迷いがない。がしかし、次回は「カツカレーにコロッケの3辛普通盛」(そんなとり合わせあったっけ)を是非喰わなくちゃ。そう、憚(はばか)らず「大正三大洋食カレー」と銘打って・・・。それにしても人間の嗜好とは不可解で摩訶不思議なものだ。秋の夜長、「眠れれない親仁」の戯言でした。(川端康成の「眠れる美女」の老人に扮すれば最高の愉悦だろうが・・・いけません、あれは犯罪です)。(いかんマー君が1回、いきなりヒットを浴びました。・・・・・いかん、また打たれた。)9月22日。
●近近のことから。東日本大震災が起こって既に3年半が過ぎた。発送電の分離が叫ばれた。ここに至って九州電力は太陽光発電の新規契約を止めた。ブレイカ―が落ちた(ギャグですぞ)のだろうか、送電のキャパオーバーという。一方で川内原発の再稼働開始に入れ込む始末。発送電分離は国が処理すべき大問題でしょう。各電力会社に余力がなければ他に財閥もあるし、例えば○リ○バの筆頭株主の大企業もあるではないですか。一旦、送電権を買ってもらって、時期がくれば分社化もできるでしょう(出資者が損をしないよう)。さらに言えば自治体単独での発電送電システムを確立することもありでしょう。水力に火力、自然エネルギーをバランスよく活用すれば不可能なことではないでしょう。つづく。9月21日。
●20日の産経新聞の石破茂地方創生担当相に関する記事の抜粋。「政権の看板政策を担う『花形』ポストは、安倍晋三首相のライバルとしての力をそぐための『座敷牢』だとの見方もある。石破氏は政治家としての正念場を迎えている。19日、官邸で開かれた地方創生の有識者会議「まち・ひと・しごと創生会議」の初会合。首相は冒頭のあいさつで『各府省の縦割りやバラマキ型の対応を排除し、これまでとは異次元の施策に取り組んでもらいたい』と強調した。」。昨日は宮崎市で講演し、宮日新聞のインタビューに応えたその内容は、①人口減少で消滅の可能性がある自治体が発表されたのは衝撃的だった。②「困っているので国が何とかして」ではなく、「これをやればこうなる」という立証をそれぞれの地域でしてもらう。③そして、やりたいという人材がいないところには、20代、30代の霞が関のヤクニンで、地方で3年働きたい人を募り、地方自治体に出す。④地元の熱意と知恵があって初めて国が応援する。これを読んでぴんと素直に理解できますか。どこかピント外れで誤魔化されているようですよね。ことあるごとに地方講演で吠えるだけ吠えてゴチャゴチャに掻き雑ぜてもらうよりは「座敷牢」で幽閉してもらっていたほうがましかも。今まで政府が地方に対してやってきた多くのことの反対の施策を打ち出すか、金だけ出して口を出さなければそれだけで相当に再生できる筈ですが・・・・・・。国会議員や霞が関のキャリアの智恵があるというなら、既に現在の地方の疲弊はなかったでしょう。まず、それを認めることからでないと(世襲政治家という)御坊っちゃまのおべんちゃらとしか聞こえませんよ。つづく。9月21日。