コンテンツへスキップ

今週の親仁ギャグ・2015年4月12日(日)~4月18日(土)

●水深61メートルの海底に沈んだ「伊号第三十三潜水艦」に残された多くの遺書。浸水から沈没の様子を書いたものから・・・家族への遺書。「僅か三カ月の結婚生活であったが、自分は非常に幸せであつた。今後のお前の身のふり方はお父さんの言ふ通り、お前の幸福になる道を進んでくれ。ではさやうなら。」(一機曹)。「小生在世中は女との関係無之。為念。」(二衛曹)。「午後三時すぎ記す。死に直面して何んと落着いたものだ。冗談も飛ぶ、もう総員起しは永久になくなったね。母上よ、悲しんではならぬ。それが心配だ。光さん、がんばつたがだめだつた。妹よ つひに会えなくなつたね。清く生きて下さい。気圧が高くなる。息が苦しい。死とはこんなものか。みなさんさよなら。」(一機曹)・・・等等・・・。「最後にしたためられたものとしては、煙草の空箱に、『いよいよ苦しい 二十一時十五分』」という走り書きがあった。沈没後十三時間経過しているわけで、苦悶は一層激しく、間もなく全員死亡したにちがいなかった。又場※は、沈没後三十時間目に呉工廠の潜水夫が、艦外からハンマーでたたいたことを思い出した。艦内からはなんの反応もなかったという報告があったが、その頃には、すでに艦内の乗務員は死に絶えていたのだ。」(吉村昭著「総員起し」・文春文庫・pp303~305)。ここでも「坂口安吾の特攻隊賛美」(半藤一利著「昭和史を歩きながら考える」・PHP文庫・pp29~31)に通ずるところだ・・・安吾は決して特攻隊を是としていない・・・命令できない特攻作戦を強制したことはもってのほかであるが、実際に志願して散って逝った若者の「愛国殉国の情熱」は賛嘆してもしすぎるものでない・・・ということだ。かつての日本人にはそういう精神をもった人間が少なくなく、その魂は日本人に脈々と潜み宿っているということをひとつのよりどころというか、仄かな誇りに感じたのであろうか。的場常夫氏は多くの沈没船を引き揚げたサルベージ会社「北星船舶工業株式会社」の経営者。4月18日。 

●「伊号第三十三潜水艦」浸水事故の原因は「機関左舷給気筒頭部弁閉鎖確実ナラズ」であり、閉鎖を不確実としたのは丸太だった。これらが事実と判明した有力な証拠は艦内に残された多くの遺書。「電動機室内の手すりに防水ゴムでつつまれたものがくくりつけられている」遺書は大久保太郎中尉と浅野上機曹のものであり、同じく電動機室内の水枕の中には前の2名を含め31名の名前が記され、そして遺書が書かれてた。つづく。4月17日。

●韓国のセウォル号沈没事件から1年。先月27日は北海道函館市沖の津軽海峡で27日起きた熊本県の海運会社「パールライン」の作業船が転覆事故を起こしたが翌28日、船内からひとりの甲板員が救助された。津軽海峡の転覆事故での救命要因は「空気溜り」。そこで最近読んだ吉村昭の「総員起シ」・・・何とも残酷なおぞましい事故が過去にあったものだと身の毛がよだったはなし。昭和19年6月13日午前8時40分、「伊号第三十三潜水艦」が伊予灘由利島付近で急速潜航訓練中に浸水が起こり、ハッチから10名が脱出を試みたが救助されたのはわずかの2名、102名が殉職した事故。この潜水艦はあるサルベージ会社によって9年後に引き揚げられた・・・のだが、その一つの兵員室で13名の生々しい遺体が残っていた・・・という事実。事故後、室内の酸素を吸い費やし尽した結果・・・想像を絶する現象が生じたのだつづく。4月16日。

●きょうのサンデ―モーニングで、あるコメンテーターが「今の国会議員で戦前生まれは1割、残る9割の議員も戦争を勉強し無さ過ぎる・・・」・・・国会議員に限らずすべての国民がそうであろう。戦中に小学生や中学生であった人達もどれだけ戦争の深層・真相を知っているか疑わしい。親仁も、想像だけでは語れないから、それなりの時間を費やして勉強しているつもりである。「戦後70年談話」とは中国、韓国をはじめアジアの近隣諸国に対するメッセージとして重大事項であることは疑いようのないことだ。一方で、戦時中の国内あるいは軍隊内で起こり行われたことについてどれだけの事実把握がなされ検証されているのか甚だ疑問である。レイテ島沖の千メートル海底に沈む戦艦武蔵が映像撮影された。その武蔵を長崎で建造中、九州をはじめ(記憶では確か)和歌山から以西の各地に棕櫚の皮を求め、巨艦武蔵の建造が鬼畜米英などの眼に触れないように棕櫚の巨大目張りを施した・・・そんな程度の小細工で秘密がもれない訳もなかろうが、そんな馬鹿なことをマジでやってたんだから・・・・・・これは2、3年前に読んだ吉村昭の「戦艦武蔵」による。つづく。4月12日。

ついでに先週の承前(つづき)。2014年度の報道ステーションの予算内訳・・・各出演者の出演料(ギャラ・ひと月あたり)は、恵村順一郎(朝日新聞)55万5千556円、松岡修造(インターナショナルマネジメント)250万円、工藤公康(三桂)100万円。古舘プロジェクトへは(ひと月あたり)MC(メインキャスター)専属契約料430万円、MC出演・拘束・制作協力料1億4758万円、長友智子出演・制作協力22万9千円、制作業務請負料8518万5千円。そして古舘伊知郎の出演料は年間12億5083万2千円テレビ朝日から古舘プロジェクトに支払われる金額総計は年間で30億円弱というネタ元は「文芸春秋」2015年5月号・pp188~198・上杉隆著。4月12日。

先頭へ