コンテンツへスキップ

今週の親仁ギャグ・2015年9月6日(日)~9月12日(土)

紀伊国屋書店村上春樹氏の新刊本の初版10万冊のうち9万冊を出版社から直接買い取り、自社店舗と取次店を介した全国の書店で販売すると発表。最大の目的はネット書店に対抗だという。わが国での本の流通システムは、出版社で刊行された本は本の問屋である取次店を仲介(中間)して全国の書店に配本される。大手流通問屋は「東販」と「日販」である。このシステムではより多く捌ける都会の大型書店に新刊本が集中し、宮崎のような田舎の書店には数が限られるか、最悪は初版本は手に入らない。今回の紀伊国屋方式だと書店側の儲けは本の価格の24%だそうだ。従来の問屋を介するよりも数%多いから書店には嬉しい話だ。が、返品が不可で満数で売らなければ損することになる。しかし、人気作家の新刊本の初版となればその心配はない。ところがところがだ、初版本だけではないんですね。先日、近くの書店に「『BC級裁判』を読む・半藤一利・秦郁彦・保阪正康・井上亮 共著/日本経済新聞社出版社・2010年」の文庫本を注文したのだが売切れで入手不可との電話連絡があり、仕様なく単行本に変えたのだが・・・。数日後、上京して書店に行くと何と文庫本が整列して並んでいましたね。新刊本に限らず、新刊から5年も経っても田舎書店には入らないものは入らないのですね。(そもそも文庫初版なんでしょうか。やはり文庫本の方が読みやすいし安いし軽いしってとこでしょうが)。本は生鮮品、特に魚介と違って腐らないものだから、なるべくなら流通問屋を省いてもらって、厳しい書店の経営に少しでも充ててもらえるといいんじゃないですか。本は故障もしないしアフターケアも全く必要ないですからね。銀座鮨屋御用達の築地の魚仲介(問屋)とは訳が違いますね。多くの業界ではレボリューションが急務だな。9月11日。

●野田聖子氏の女度胸に喝采を送ろう。国会議員は誰もが総理大臣を狙っている。がしかし、棚から牡丹餅とはいかない。今日の産経ニュースによると「自民党の石破茂地方創生担当相が、自身に近い党内グループ『無派閥連絡会』メンバーとの会合で「次の総裁選への出馬に向け、環境を整えたい」と述べたことが9日、分かった。石破氏は10月にも同会を母体に『石破派』を結成する方針も表明。すでに20人超が入会届に署名した。『ポスト安倍』を目指すことを公言し、足場となる派閥を作ることで、党内に確固たる支持基盤を築く考えだ。」。無派閥で派閥の弊害を主張してきた石破氏が一転本気を出したか。東京オリンピックの余波著しく地方は衰退の一途だ。地方創生担当相にして大した仕事もできないだろうし、安倍内閣で冷飯を食わされる筆頭格だ。今まで気付かぬ振りをしていたのだろうが、過去の総裁選に登場した幾人かも難儀な大臣ポストに据えられ干された感がある。安倍晋三首相の祖父・岸信介元首相も多くの政敵をなぎ倒している。その筆頭がふたつある。ひとつは「大野伴睦『念書』事件」である。60年安保改正直後、岸内閣は総辞職し、池田勇人内閣が誕生するのだが、安保改正が成立する前、「党内からも岸の強引な政治手法に反対するグループから、警職法の行き詰り批判や、安保改定の時期尚早論や慎重論まで飛び出し、党執行部は鼎の軽重を問われる羽目となっていた」(工藤美代子著「絢爛たる醜聞 岸信介伝」・幻冬舎文庫・p478)背景で、岸信介は党内不平分子との打開策として、次期首相を大野伴睦氏とする念書を書いたのである。もう一つは岸内閣総辞職後の総裁公選で立候補の意志を表明した池田勇人、石井光次郎、藤山愛一郎のうち、藤山には多大の恩義を受けていたにも拘わらず、「その代わり、割を食ったのは藤山愛一郎で、(略)藤山は巣鴨から身ひとつで出てきた岸を一族の会社役員に就け多額の資金調達をしてきた。その後もことあるごとに岸派の資金繰りには援助を怠らず、安保改定では外相として岸を助けた功績もある」(同・p523)のだが、総裁選では藤山を見捨て、かつ「自派から藤山にいったん流れた議員を全部引き揚げさせ、池田に回した」()。池田の後が実の弟である佐藤栄作、佐藤の後を岸が後継者と目した福田赳夫と睨んでの政略だったのだ。石破氏も当然ながら岸信介の自伝や工藤美代子氏の本も読んでいるだろうから、このままじゃ完膚無きまでに干されてしまう怖気(おぞけ)の悪夢したに違いない。蛇の道は蛇ですぞ。うかうかしていたら天下の嗤われ者になりますよ。首相になりたい議員は騙されたら終わり、騙してなんぼの世界ですぞ。挙って陣触れすべし。岸信介の回顧録(自伝的)書籍:岸信介・矢次一夫・伊藤隆「岸信介の回想」文芸春秋・1981年、岸信介「岸信介回顧録-保守合同と安保改定」廣済堂出版・1983年、岸信介「我が青春-生い立ちの記 想い出の記」廣済堂出版・1983年。9月10日。

●今週の写真の「千年銀杏 橘郷鎮守自生古木」について、今は枯れてご覧のような哀れな姿だ。直径が人身長大もありそうな切り株から数々の新葉が芽吹いている。いったいいつまで巨木であったのか調べると2009年末までは黄葉を楽しませていたようだ。そこで気になるのが「橘郷」という文字。これも簡易調査すると、『日向の伝説と史蹟』(宮崎県編、歴史図書社)という書物があり、その中に「日向国に橘の名は橘郷として永禄の頃に見へ、又前記寛延年間の檍原図にも出ているが、今は市内橘橋、村角町の橘尊等に其遺称を存じている。・・・」とある。※永禄年間は1558~1570。そこで親仁の拙い蔵書で「宮崎県の歴史・山川出版社・1999年」があり、その「日向の国郡里(郷)制」(p63~)に「つぎに日向国の内部の構成について考えてみよう。養老五~天平九(七二一~七三七)年ごろのようすを記す『律書残篇(りっしょざんぺん)』の国郡部には、『日向国<郡五、郷二十六、里七十一、去京行程二十一日、海十三>・・・」とあり、郷里制下(霊亀三~天平十一<七一七~七三九>年に実施)の数字がわかるが、郡や郷・里の名称は不明である。」と書かれる。が、本文330項に「橘郷」はない。五郡とは北から「臼杵郡」「児湯郡」「那珂郡」「宮崎郡」「諸県郡」で、今の宮崎市周辺の郷は「田島郷」「瓜生郷」「新名郷」「穆佐郷」がある。(これがいつの時代が親仁には分りかねます)。いずれにしても701年(大宝元)に制定の大宝律令で日本国内は国・郡・里の三段階(「国郡里制」)の行政組織から始って色々に変遷したのでしょう。小生の日本古代史の蘊蓄レベルは知れたものであることを暴露したようなものだが、ひょんなところで「千年銀杏」の切り株を見たのが悩みの拡大となった。勿論、去川の銀杏は観木しましたが・・・。そう、たしか島津の初代殿様・島津忠久(1179~1227年)が植えたと伝えられている雌株ですね。重陽の節句の、9月9日。

●「ばら寿司」と「ちらし寿司」の違い。蘊蓄が深いので簡潔に纏めてみる。「ちらし」(散し)は寿司飯(酢飯)の上に生魚を含む色んな寿司種を載せる>。「ばら」は寿司飯と具をバラバラに混ぜ混ぜ(まぜ寿司)したのが語源で、基本は生魚を含まない。「ばら寿司」の具材は煮たり焼いたり酢で〆た魚(介)と干瓢や筍、椎茸などの調理したもの。「海鮮丼」は酢飯に限らず白飯でも可で、名の通りに丼で供される。歴史は華屋与兵衛(はなやよへえ・1799年~1858年)まで遡るようだ。与兵衛は天保年間の1824年に「華屋」を開業。彼は(日本で初めて)ワサビを使い、現在の握り寿司に非常に近いものを創作した(握り拳大の大ぶりで、かつ目が飛び出る程高値であったという)。握り寿司の考案者が与兵衛だ。ちらし寿司は握り鮨が一般に広まった明治以降であろうか。しかし、寿司の発祥というと御存知の滋賀・琵琶湖の鮒寿司(熟れ鮨)。「ちらし」のルーツもあった。備前福岡の「どどめせ」だ。炊き込み飯に酸っぱくなった濁酒(どぶろく)を掛けた(注いだ)「どぶろくめし」がなまって「どどめせ」に変化したと云う。鎌倉時代からのものと云うから歴史は古い。花屋与兵衛の江戸前と備前福岡の「どどめせ」が合体して進化したのが「ちらし」であり「ばら」なのだ。黒田官兵衛が九州福岡に移った時、備前福岡を懐かしんで「福岡」と名した。名刀「備前長船」でも有名。(「長船町福岡」は岡山県瀬戸内市の大字)。9月6日。

シリア移民を乗せた船が地中海のトルコ沖で転覆した事故で3歳の幼児が溺死した写真が世界を変えようとしている。この映像がイギリス・フランス・ドイツの世論を難民受け入れへ傾けた。想い出すのがマララ・ユスフザイ(1997~・パキスタン)の演説。“Let’s us pick up our books and our pens. They are our most powerful weapons. One child, one teacher, one book and one pen can change the world”(「みんなで本とペンを手に取りましょう。本とペンは私たちの最も強力な武器です。1人の子供と1人の教師、1冊の本、1本のペンが世界を変えることができるのです」)。彼女は2014年、最年少の17歳でノーベル平和賞を受賞した。兵士が死亡した男児を水際から抱きかかえて移動する映像。そもそも第一次世界大戦によって欧州列強が中東の国々と民族を分断して(勝手に国境線を引いて)支配した。今のパレスチナとイスラエルとの怨恨もその根は第二次世界大戦のユダヤ人移住が発端だ。イスラムはもともと明瞭な国境を設けるような教義でなく、争いも好まない。ISもその根は大戦とイラク戦争である。イギリス筆頭の欧州勢とアメリカの責任は大きい。イラク戦争では少なくとも日本も加担した。100年を経ても戦争の惨禍は消えないどころか拡大している。どのような理由が生まれようと地球の裏側まで行って戦争し、それらの国土・生命を奪い、宗教・文化を踏みにじってはいけない。安保改悪法案を断じて成立させてはならないきのう今日と「ミヤネ屋」・「そこまで言って委員会」に安倍首相が出演。右寄りの日テレだ。物議を醸しそうな行動だつづく。9月6日。

先頭へ