●広島市繁華街の2階建て雑居ビル全焼で3人が死亡した火災。呑んだくれオヤジさん、他人事じゃないですぞ。一見でも行きつけでも逃げ場は確認して入店することが肝要です。ニシタチでも袋小路的雑居ビルは少なくありません。店への出入り口がエレベータに直結なんてところもありますぞ。30年物のビルはザラでしょうし、なかには半世紀も前に建てられた目隠しの壁がトタンなんてビルもあります。50年前と今との消防法や建築許可というのは知る由もありませぬが雲泥の差があるかも。先達ての上京で銀座2丁目の伊東屋へボールペンの替え芯を求めに行ったのですが、エスカレーターは昇りだけでかつ1人しか乗れません。(3階までしか昇ってませんが、伊東屋は12階建てです)。裏口にはエレベーターがあり、優に横4人は腕組みで並べそうな幅の階段があります。要は、降りのエスカレーターはなく、奥の階段が広いということです。(伊東屋はビル建て替えの為、今年の6月まで仮店舗の営業でした)。間口が狭くて奥に長い土地ゆえ、消防法の関連でこのような設計になったのでしょう・・・と勝手に推察してますが・・・。銀座に限ったことじゃありませんが、地下の店へ行って見て下さい。親仁も当然ながら、銀座の天麩羅屋や中華屋、カクテルバー、ギャラリーなんかも行ってみましたが、狭い出入り口が一箇所しかないところ、エレベーターのみの出入りで避難先を示す緑灯の進路は厨房内を指している店・・・悍(おぞま)しい限りです。広島と同じような火焔盛んなシーンは随分前の新宿歌舞伎町雑居火災が最悪でしたね。今回のあるニュース映像にありましたが、一般の家にある天井孔のような穴を床に開けて、その穴から忍者が使うような縄梯子(実際は金属製)を降ろして避難するという御粗末な工作物・・・こんな宙ぶらりん梯子でメイドカフェの可愛子ちゃんがスルスルと逃げれれますかね。それにそもそも階下が燃えているのに床に開けて梯子孔ってのは死ぬために降りるようなもんじゃないか。何十年も前の消防法によって許可されたビルの構造では防火や避難に限界があるという事じゃないんですかねぇ。そうあらば、どんなに美女魔女を侍らすことができても奥まった逃げ場のない危険過ぎる雑居ビルへは近寄らないということです・・・死に損ですぞ。世の呑んだくれオヤジ、もしやの緊急事態時にヨロヨロスルスルと逃避できないような飲食店には近寄らないということです。追記:やはりそうであったか。広島の雑居ビルが建てられたのは1948年という。このくらいの古いクラスはスプリンクラーの設置義務が今もないという。当時の建築法をパスしていれば現在の法は及ばないのだ。世のオヤジ諸氏、酔払って梯子するときは逃げ道を確認すべし。10月10日。
●まあ親仁の杞憂ですが・・・最近のノーベル賞受賞者で東京大学と京都大学の名前が少なくありませんか、それは地方大学出身者がそれらを上まわっているという裏返しですが・・・。2015年の世界大学ランキング。いくつかの機関が好き勝手に順位付けしているのでそれこそ参考なのだが気にならんことはないね。Thomson Reuters世界大学ランキング(2015)では大阪大学が18位、京都大学が22位、東京大学が24位、 東北大学が39位、東京工業大学が51位、慶應義塾大学が58位、九州大学が81位、名古屋大学が89位、北海道大学が98位。QS世界大学ランキング(2015)では京都大学の38位、東京大学39位、東京工業大学56位、大阪大学58位、東北大学74位、名古屋大学120位、北海道大学139位、九州大学142位、早稲田大学212位、筑波大学219位、慶應義塾大学219位、広島大学348位と続く。CWUR世界大学ランキング(2015)では東京大学13、京都大学17、慶應義塾大学34、早稲田大学38、大阪大学45、東北大学73、九州大学100、東京工業大学109、名古屋大学125、北海道大学178、岡山大学245、筑波大学262となっている。評価はネイチャーやサイエンスなど有力誌への掲載論文数、特許数、それにノーベル賞もしくはフィールズ賞を受賞した卒業生数などなど・・・。今回の医学生理学受賞の大村智先生は山梨大学卒、物理学賞の梶田隆章先生は埼玉大学卒。ノーベル賞受賞の評価となる業績は20~30年前のものが多い。ランキング下降の底がみえない昨今、国や大学や企業やはたまた国民はこれを杞憂とするや否や。「杞憂」とは「天地が崩れて落ちかかるのではないか」と悩むことですぞ。そう取り越し苦労のことですが、大学の予算削減、教官の寡少、教官の厖大な雑務・・・などなど「一億総活躍」は夢のような現状です・・・大学の内情を知ってますか、安倍さん。それにしてもガンバレ! 地方大学、二流三流大学!!! 10月7日。
●以下は2012年10月10日の親仁ギャグ。3年前に山中先生がノーベル生理医学賞を受賞した時のツブヤキの一部である。「コレステロールを低下させるスタチンを発見した遠藤章氏もアメリカへ渡った。現在この製剤一つで数兆円の売り上げだ。頭脳が海外へ買われ渡っている。忌々しきことだ。」。遠藤章先生も微生物学者であり、しかも農家の生まれと云う。以下はスタチンに関してのWikipediaの記述・・・「1971年、三共(現:第一三共)の発酵研究所に所属(当時)していた遠藤章のグループは、HMG-CoA還元酵素を阻害する物質の研究を開始した。HMG-CoA還元酵素はメバロン酸の合成に必要な酵素であり、メバロン酸は菌類の細胞膜・細胞骨格構成成分の重要な素材であることから、自己防衛手段としてこの酵素を阻害する物質を持つ微生物が存在するのではないかと彼らは考えたのである。1973年、6,000種に及ぶ微生物を検索した結果、遠藤らはアオカビの一種 (Penicillium citrinum) から最初のHMG-CoA還元酵素阻害薬であるメバスタチンを発見した。彼らはメバスタチンの構造やHMG-CoA還元酵素を阻害するメカニズムについて解析すると共に、実際に血中のコレステロール値を低下させることができるかどうか、動物実験による検討を行った。ラット・マウスなど齧歯類では再現性のあるデータを得られなかったものの、ニワトリやイヌ、そしてより人間に近いサルでは血中コレステロール値は20-50%程度低下し、メバスタチンの効果を実証することに成功した。」。日本の頭脳が海外に流出することなく、またその製品(薬品)がメイド・イン・ジャパンであり、はたまたそのロイヤリティーが外国に奪われる事ないように、国と企業との改革ならぬ改心と本気度が求められよう。10月6日。
●きょうの話題は何と言ってもノーベル医学生理学賞の大村智氏。授賞理由は富士山麓のゴルフ場で発見した細菌が作り出す物質(マクロライド系抗生物質)に抗寄生虫効果のあることを発見し、世界中の多くの人命を救済したこと。1973年から、米メルク社との共同研究でイベルメクチンを開発。回虫はじめ消化管線虫類やダニ(皮膚・耳疥癬)などの寄生虫に高い効果があり動物用の薬として広く普及し、動物に限らずヒトにも有効であることが判明。失明することもある熱帯病のオンコセルカ症(河川盲目症)や、リンパ系フィラリア症(象皮症)の特効薬となる。世界保健機関(WHO)は、イベルメクチンにより2020年代にいずれの病気も撲滅できるとしている。熱帯を中心に年間2~3億の人がこの薬の恩恵を受けているとか。犬猫を飼っているなら知らずともその恩恵は甚大ですぞ。特に犬のフィラリア予防薬がそれです。それこそ30年程前から実用されている薬品。今回の最大の特長は最も地味な学問のひとつである寄生虫分野の受賞であること。かつiPS細胞のような派手ではないが多くの人命を助けているということ。ここからは親仁の頓珍漢なツブヤキ・・・(高度医療は遠く及ばないが簡単でも放置すれば命を失う病気を確実に治療しているわれわれ一介の獣医臨床家を勇気づけ、延いてはすべての分野の芥数多(あくたあまた)の一般人に活力を与える点で、ノーベル賞選考委員の快挙だな)。10月5日。
●神田古本屋のウラの譚。東京の散歩散策は悠悠快適ですね。半刻(はんとき)歩いてもさして疲れません。結局は10店舗ほど物色と云うか探検して見ましたが、これと云って所望のものがあった訳ではないのでやはり観光ですね。どの店の軒にもカートがあってその店がどんなジャンルに力を注いでいるかを示しているようですね。親仁の目にとまったのは小説や絵画本ですね。間違っても政治や法律や海外物ではありませぬ。そこで文学物の多いある店に入ったのですが、最初に目に入ったのが壁掛けの額物でした。この店の額絵はほとんどが猫なんですね。籔内佐斗司の版画もそれなりの値札が付いていました。そのなかで親仁の目に止まったのがコップのビールを呑む猫と甕の中から這い出ようともがいている猫の構図でした。そうです、これは夏目漱石の「吾輩は猫である」の結末の場面です。それに同じ図柄がふたつあるんですね。そして値段が違う。店主に問うと「これは原本と復刻本の違い」とのたまうんですが、それにしても原(版)画でも手が出る値段です。そこいらの画商並の鑑識眼を誇る親仁としては「これは買いだ」と即決したのですね。その日は敬老会に出掛けていた店主に代って店番をしていたのは倅の嫁さんだったのですが、その店番はレジ内の背棚からなにやら古本を取り出して「こんなのもありますが・・・」と云うんですね。何とそれが明治40年に出版された「吾輩は猫である」の下巻なんですね。彼女は親仁の要望に応えてなんとページを剥ぎ取ってくれました。店に掛けてあったものと合わせて3枚を手に入れました。額は不要と伝えると額代を気前良く差っ引いてくれました。騙されたのか幸運だったのか。後で舅の店主と揉めなけらばいいのですが・・・。時間に余裕のあらばもっと幸運の掘り出し物が隠れているに違いありませぬ。全くの門外漢の探訪すべきスポットかも知れませぬ。呵呵!!! 10月4日。