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今週の親仁ギャグ・2017年5月28日(日)~6月3日(土)

●『火の国の城』という小説で池波正太郎は以下のように綴っています。

大坂戦争が終ると、さすがの家康も、心身のおとろえを感じたようだ。
それにしても・・・・・・
 と、駿府の城へ帰って来た家康は、老臣・本多正信へ、
大坂の戦に、もし主計頭清正が生きて在ったなら・・・・・・と、それを思うて、わしは、陣中にいて、つくづくと胸をなでおろしたものじゃ
いまさか・・・・・・
なれど・・・・・・
は?
清正は、まこと毒をのまされたのであろうか・・・・・・
さて・・・・・・
わしは清正を殺せとは申さなんだ
それがしも、うけたまわりませぬ
 さぐるような家康の視線を受け、本多正信は苦笑をもらした。
もはや、すぎ去ったことでございます
『そうであったのう・・・・・・』
 どちらにせよ、加藤清正の死によって、豊臣家の栄光は、家康の目の黒いうちに消滅したのであった。
 大坂戦争が終った翌年の四月十七日に、徳川家康は七十五歳の生涯を終えた。」(池波正太郎「男の系譜」の「加藤清正」・新潮文庫・2016年・51刷・pp162~163)

 どうでありましょう・・・・・・史実、真実はいずれであれ、忖度の極意とは思えませんか。家康(1542~1616)は本多正信(1538~1616)を「」とよんだ。彼の親友同士のお二人の最晩年の会話が想像されませんか

 余談ながら、先週末(27日)、県立美術館の「家康没後四百年 徳川久能山 東照宮 歴代将軍名宝展」へ行ってきました。「金扇馬標」・「吉宗の絵画」・「慶喜の軍帽」が特に印象に残りました。つづく。6月2日。

●「特区」とするからには獣医学部でなくともよかったんじゃないですか。若いポスドク中心の研究施設のほうがS教授の意に合っています。あるいはウイルス学や免疫学に強い(メジャーの論文数が多い)既存の獣医大学を充実する道もあったでしょう。東大や北大に固執せず、衰退する地方の活性化を図る術もあったでしょうに。そもそもですね、今の獣医学部の有り様は修得せねばならぬ動物ごとの単位数がすこぶる過多であり、学生が一つのテーマの専科で研究するなんてのは不可能です。とくに私立大学の場合、卒論をほどほどで終わらせ、6年次の夏頃からは国家試験対策に必死であり、模擬試験や特別講義の連続と聞きます。今後も現在の国家試験体制を続行させるのでしょうから、加計学園獣医学部がいかに優秀な教授陣をそろえても、大した研究は望めないでしょう。所詮、今までどうりの獣医師を送り出すだけの機関に過ぎないでしょう。「大学院の充実を」とのたまうでしょうが・・・・・・研究費の調達はどうするのでしょうか・・・・・・そう簡単に問屋が卸さないこと間違いないでしょう。やはり、(もちろん自論ですが)獣医師免許を公衆衛生と産業動物、それに小動物の3つに分けるべきであります。そうすればそれぞれの分野の発展は請け合いであります。つづく。6月1日。

●加計学園の孝太郎氏の御曹司は現在40歳、学園グループの倉敷芸術科学大学の副学長であります。それも2009年からと云いますから若造にして相当の出世です。動物生命科学科の講師も兼任です。御曹司は獣医師でもあり、出身大学は鹿児島大学獣医学科(現・山口大学との共同獣医学部)ですが、大学入試の時でしょうか入学の時でしょうか、親子で鹿児島を訪れた際、孝太郎氏は御曹司に「この程度の施設なら20~30億で俺が獣医学部をつくって見せる」と語ったそうです。なぬ、その金額はまさか手出しじゃないだろうな。今治市の土地無償供与が36億7500万円、愛媛県と今治市は施設建設に96億円の税金を投入中であります。税金を当てにしてあまりふてえことをほざかないことだな……呵呵。輪を掛けた少子化で加計学園グループの存続は(創業者の)曾孫の代(孝太郎氏は2代目)まであり得るや。つづく。6月1日。

●国立大学の学生を押し並べると一人当たり月に3万円程の税金が投入されているとか・・・・・・聞いたことがあります。平成26年度の私学助成金(私立大学等経常費補助金・568校)を調べると、1位が日本大学(獣医学部あり)の94億7600万円余であります。学生10万のマンモス校ですが、一人当たらにすると年間10万円ということですか。2位が早稲田の約86億円、3位が慶応で約85億円です。その他の獣医学部を有する大学では、北里大学(9位)の約45億4千万円、酪農学園大学(96位)の約6億8千万円、日本獣医生命科学大学(132位)の約4億8千万円、麻布大学(159位)の約4億2千万円となっています。果たして加計学園の岡山理科大学獣医学部には毎年いかほどの助成金が費やされるのでしょうか。今、小泉進次郎衆議院議員の主導で「こども保険」なる税金が「大学無償化」に投入されようとする動きがあります。学生のみなさん、現在も今までもこれからも多額の税金が補助されていることを知っておきましょう。余談ながら・・・・・・でした。つづく。5月30日。

●そうは言うもののこの数年の獣医師国家試験合格者は1000人~1060人の範囲で安定推移しています。やはり獣医師の高齢化が総数を増やしている主因なのでしょうか。しかし近年のペットブームと動物病院開業の増加は隔世の感があります。それによって新卒の獣医師の就職先が小動物病院に偏り、産業動物や県職獣医師の需要バランスが狂ってきたのでしょう。もうひとつ、30年程前までは製薬会社の獣医師を重宝する時代が続きました。しかし今は獣医師でなくとも薬学や分子生物などの分野の研究者がそれを遂行しています。半世紀で獣医師の就業シフトが大きく変化したということです。私見ですが、今現在の小動物獣医師は不足しているでしょう・・・・・・が、このままの人口減少では10年も待たず有り余るでしょう・・・・・・ね。産業動物も企業(法人)化や飼養管理法の発展と衛生面の啓蒙がいま以上に浸透すれば、これまた余るやもしれません。そこのところの政府の説明責任ですね。獣医師会も国会に登場して現況と将来像を語ることでしょう。つづく。5月29日。

●獣医師も例にもれずの高齢化でその総数が増えていますが・・・・・・それだけでしょうか。2017年度(第68回)獣医師国家試験の結果を見てみると、合格者数は1000人(受験者1296人・合格率77.2%・うち新卒者の合格者は899人で合格率87.5%)であります。私立大学5校の定員は日本獣医生命科学大学が80名で、ほかの4校の定員は120人で同じです。5校の受験者数は酪農学園大学が138人(合格者124人)、北里大学が132人(同117人)、日本獣医生命科学大学が80人(同74人)、日本大学が138人(同112人)、麻布大学が151人(同132人)であります。私立5大学の募集定員に比べ国家試験受験者総数は79名のオーバーであります。たとえば宮崎大学獣医学科の定員は30名で、68回の受験者数は26名(合格者23名)ですから、私立大学の定員オーバーの学生総数は、国立大学の2~3校分のということです。私立大学医学部を調べるとこのような大幅な増員はないようです。これをどう分析するか。人気があって多くの学生が掛持ち受験しているため合否のボーダーラインが引きにくいのか、それとも運営上の理由からの学費調達か・・・・・・いろいろあるでしょうが、国公立大学も私立も教官数はたいして変わりません。学生数の割に教官数が少ない(講座数は国立と同様)ということは、卒論に限定すればその指導が薄弱になりがちということです。それなのに大幅な定員オーバーの合格(入学)者はいかように説明すればよいのか。教育の質を重んじる文科省、そして獣医師数が充足していると主張してきた日本獣医師会と農水省の見解はどうなのかつづく。5月28日。

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