●日馬富士のモンゴル会での後輩暴行事件。我々とも関係のあるのが診断書作成だが、貴ノ岩の2度目の受診病院は(噂では)総合病院である。頭蓋底骨折の疑いも、脳脊髄液漏出の疑いも、CTやMRIの画像に基づく診断でしょう。しかしこの場合の医師側の問題は、「疑い」があれば、それも右中頭蓋底骨折と髄液洩れですからね・・・・・・「疑い」があれば骨折の癒合に必要な期間は安静を指示すべきでしょう。骨癒合は年齢によりますが、成長期以外は少なくとも2ヶ月を要します。「疑い」と診断書に記入するのであれば「全治2週間」は有り得ない話じゃないでしょうか。頭蓋底骨折が2週間で完治なんて・・・・・・明日からどうぞ本場所に出場して大丈夫ですと言われても、普通の人間なら怯むでしょう。力道山は腸管穿孔していても出前の鮨を頬張ったそうですが、結局は腹膜炎で亡くなりました。深く考えていない「不覚」であります。相撲など格闘家の飲酒会ではプラスチック製のピッチャーに紙コップ、そして手にはボクシングのグローブを着けて飲んで下さい。11月18日。
●先日東京からある業者の営業マンが私の病院に立ち寄り、話の中途で、「この病院は診察室や手術室がオープンでどこからも目が行き届きますが、最初からこの設計なんですか」と訊くので、「建ててもう23年なんで古くなりましたが・・・・・・どうしてですか」と問い返すと、「今、このような”患者(飼い主)さんに見える診療”が見直され、流行りの萌しなんです。」との応え。(診察室や処置室が飼い主からは見えないクローズドな空間は廃れはじめたか)。「採血はじめ静脈留置や膀胱洗浄など簡単な処置は、飼い主にも見てもらうのがコンセプトですから。これもパフォーマンスです。当初は手術も見せていましたが、今は写真の説明で済ませています。」と言うと、「いま流行りの走りだったんですね」の応え。そうか、モノは言い様で、考え方も時代で変遷すると云うことだろう。いま来春を目途に新しい病院(分室)の構想を練っているところだが、これからも「流行り」でない「走り(萌し)」を探求してみましょうか。11月12日。