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今週の親仁ギャグ・2020年8月9日(日)~8月15日(土)

●「ワクチンの恩恵-承継-
二太郎「主人先生よ、最近の診察をみているとワクチン接種を希望する犬猫が増えとらんわん?」

主人先生「そうなんだよ、ヒトの新型コロナウイルスの拡大にともなって増えてきたよな。昔は、といっても25~30年以上も前はな、まわりでディステンパーやパルボが大流行してバタバタと死んでいってもなかなかワクチンを打ってくれなかったんだがな。当時毎日々々、ディステンパーやパルボの犬が来院し、鵜飼のように何頭も並べて点滴したこともあったよ。下痢や咳をする犬がいると院内感染しないかと頗る神経が擦り減ったのが、きのうのことのようじゃ。パルボは今のように院内で抗原検査が出来なかったから、最初は単純な下痢・嘔吐かと思っていると、次の日は白血球が数百代(ゼロも)に激減している個体も少なくなっかたよ。一方のディステンパー抗原は今もじゃが外注じゃったからな。しかもディステンパーは風邪(呼吸器型)の症状が改善して暫くしてから痙攣が起こるのでパルボに比べ質が悪いときている」

二太郎「パルボやディステンパーはそんなに怖い病気なの?」

主人先生「そうじゃな、子犬がディステンパーに罹ったら、ほぼ全滅じゃ。最終的には全身けいれん(神経型)で死亡するんじゃ。子犬のパルボはそこまでないが、いくら治療しても助かるのは3頭か2頭に1頭じゃな。そうじゃ、インターフェロンが登場したのがちょうどこのころじゃった」

二太郎「いまの犬猫のワクチンの現状は、われわれペットにとっては大した恩恵ですわん?」

主人先生「ペットの繁殖はいわゆる密じゃからな。ペット専用マスクもないから咳の飛沫は吸い放題だし、排泄物は習性から経口的に入り放題じゃ。ワクチンの開発と発展はペットの健康や寿命の延長、そして経済的にも大きな恩恵をもたらしているんじゃ。だから言わずと知れたじゃが、ヒトの新型コロナウイルスのワクチン開発と実用は早ければ早いに越したことはないんじゃ」

二太郎「ワクチンが有るか無いかは、天と地ほどの違いがあるんですわんにゃ? それをこのコロナ騒ぎで飼い主が再認識してくれたというのですわん」

主人先生「そういうことじゃな。新型コロナのお陰でペットへのワクチン接種に対する飼い主の認識の変革が起こったのじゃな。多頭飼育の場合、犬も猫も家の中で完全に隔離して飼うことは不可能だし、第一、散歩は犬には欠かせない日課じゃからな。単頭飼いでもドッグランもあればサロンもあるしな。猫の病気も飼い主が外から病原を持ち込むしな。そうそうそれに病院にも行けば、病気をうつされることだってあるもんな」

二太郎「ワクチンを打ってもらって病気に罹らないと云うことは、まず死ななくてすむし、苦しい思いをしなくてよいわん。それに罹ってからの治療費に比べればワクチンの値段は経済的に嬉しいわん」

主人先生「それじゃそれじゃ、予防は何物にも勝る自己防衛じゃということじゃな。ついでじゃがな、今日も下痢の子犬がきてな、前に飼っていた犬がパルボで亡くなっているので、ウイルス抗原検査を依頼されたよ。幸いマイナスじゃったがな。今はディステンパーやパルボ(犬猫とも)などの抗体も院内でチェックできるしな、近ごろの動物病院のウイルス診断能力もまんざらではないんじゃ。今回のヒトのコロナ騒動を機に、一般開業医でも迅速診断がいち早く可能となる体制づくりが必要じゃな」 8月14日。

●「ワクチンの恩恵
世界の新型コロナウイルスの全景が見えていない現状で、日本人の新型コロナウイルス感染が少ないのかなど、多くの不明点があります。その第一はマスクの着用や手洗い励行、3密回避などいろんな理由が挙げられますが・・・・・・新型コロナに対する最近の論点を次にまとめてみましょう。

Q1.日本人の抗体保有率がなぜ低いのか・・・・・Ans.自然免疫で感染を抑えている。BCGが自然免疫を高めている可能性も再浮上(世界的にBCGワクチン接種国の感染者・死亡者は少ない)。(感染後の抗体消失が2か月と短期間も一要因?)。
Q2.過去に流行した風邪のコロナウイルスの関与?・・・・・・Ans.過去のコロナウイルスへの免疫反応が似たウイルスに対しても起こっている可能性。いわゆる交差反応。(SARSが流行した中国ではその後もほかのコロナが流行している)。(我が国にも流行性の風邪コロナウイルスが4種あり、これらは弱毒のためワクチンはないが・・・・・・これも交差反応に関与?)。
Q3.そもそも指定感染症の分類は正当?・・・・・・Ans.現在の分類では、暫定のⅡ類相当であり、感染者は原則、入院処置などが必要である。ちなみにⅠ類はエボラ出血熱など、五類はインフルエンザなどである。無症状や軽症の若者に入院など隔離処置が必要なのか。仮に自宅待機とすれば、家から一歩も出ないとも思われず、感染拡大の懸念は少なくない。事実、東京では若者に自宅待機させ、コンビニへの買い物などを行政が認めているとの話も少なくない、と聞く(在京感染者の身内の方から直接聞きました)。
Q4.感染者数が増加しているにも関わらず、日本に限らず欧米やスウェーデンなどでも死者数が減少している・・・・・・Ans.感染者数の増加はPCR検査の増大に因ることもあるが、それにしても死亡者数が減少しているのはなぜか。高齢者や持病持ちの人の感染が低いことの他に、ひとつの希望的推察としてウイルス毒性の減弱がある。コロナウイルスはウイルスのなかでも変異しやすいものなので、東京型・埼玉型がそれに該当していれば幸いである。

つづく。8月12日。

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