●「Go To トラベルの”まやかし”」
▼わたしの「今月の旅」も中断中でありますが、コロナへの挑み旅という特攻隊のような精神の持ち主ではありませんので、近所の居酒屋で言いたい放題の放談で”コロナ鬱”回避に努めております。高鍋スナッククラスターには驚き桃の木山椒の木でありましたが、日本の津々浦々、どこでクラスターが発生してもおかしくないほどコロナ蔓延の兆しであります。
▼コロナ終息の鍵はワクチン次第であります。欧米では9月には実用化されそうな勢いです。希望的には日本でも年内接種が実現すれば良いのでしょうが。それまでの経済的活動をどうのような手段や政治的計らいで乗り切るのか。正に前途多難であります。
▼そういう最中、巷の居酒屋では、「コロナに罹っても仕様の無いこと、社会的経済的活動を規制する必要はない。死んだらそれが運命・・・・・・」などとの意見を(周囲に憚りながら)宣う人間もちらほら見聞するようになりました。そう云えば、あの社会保障先進国トップのスウェーデンの場合、自由奔放とは云い過ぎでしょうが、国民の社会活動をあまり制限していないようです。したがって感染者数も死亡者数も日本のように少なくはないようです。スウェーデンの7月27日現在のコロナウイルス感染者数は78,995人、死亡者は5,697人であります。人口は2013年で991万人ですから、死者が千人を超えたばかりの日本に比べ、単純に人口比でその数は約7倍近くでしょうか。
▼スウェーデンのコロナ対策が功を奏していないのは、他のヨーロッパ諸国がロックダウンをしてもそれを採用しなかったばかりか、長期戦略の観点と国民の自由性を尊重したことによります。長期戦略とは、いくらロックダウンをしても、感染拡大が起こり感染者数が増え集団免疫が得られない限りにおいては、経済を中心としたコロナ前の社会活動回復は有り得ないとの政治的判断からであります。
▼スウェーデンのコロナ対策は完全な失敗例として、他のヨーロッパ諸国から蚊帳の外の処遇を受けているようです。感染者、死亡者が少ないという面では、日本の現状が最悪の状況ではないのですが、この原因が政府の良策に因るものではありません。主な要因は、言うまでもなく日本人の衛生的観念の高尚さに因るのであります。
▼コロナ感染の収束を待たずに、しかも計画を前倒ししての「Go To Travel」ですが、早速新聞でも旅行会社による割引を利用しての旅行プランが載りはじめました。その1例によればLCCのチャーターを利用して最寄りの空港まで飛び、そこからはバスで周遊するというプランのようでした。そのパックの旅行代金がどうもコロナ前よりは高いようなのです。一泊2万円まで補助するGo To Travelですが、その割引を適応してのパックがコロナ前の代金より高いようでは、どうみてもキャンペーンにならないのではないか・・・・・・という疑問であります。魅力半減もいいところでしょう。飛行機も満席、バスも満席、それに綺麗なツアーコンダクターも可愛いバスガイドさんも喋れないような、そんな味気ない旅行なんて・・・・・・それよりもそもそもの話、このようなツアーのコロナ対策なんぞ信用できる代物でありましょうや。政府も家族単位など少人数での旅行を勧めているではありませんか。
▼つづく。
7月25日。