●「猫の冷水」
▼日本全体での新型コロナ感染者数は、東京をはじめ減少傾向にありますが、ヨーロッパ諸国や米国でも収まる気配が見えていません。収束に向かっていたかに見えた南半球のニュージーランドやオーストラリアなどでも感染の再燃が起こっているようです。南半球は今から春を迎えようとしているのにであります。主人先生の「今月の旅」も2月をもって中断しております。ともなってその行動範囲も半径2~3キロ圏内ですから、昔の放し飼いの犬や猫の気持ちも分かろうかというものです。
金之助「主人先生よ、最近書棚を見詰めては何やら昔に読んだ本を取り出しては再読しているようで?」
主人先生「金之助も暇じゃのお。吾輩も暇を持て余してな、いろいろと何を読もうかと漁っているのじゃが、なかなか所望が見つからんでな。読むからには長編大作が読みごたえがあるんじゃが・・・・・・3分の1も半分も読み進んでから飽きたら、こりゃ莫大な時間の浪費になるからな」
金之助「1日に2時間費やして、それが10日ともなれば・・・・・・猫の分際にも計算できるにゃん。そのことで先日、主人先生は故・樹木希林さんの読書観が書いてある新聞かなにか読んでいて、なるほどそういう考えもあるのか?・・・・・・と感心していませんでしたかにゃん?」
主人先生「そうなんだよ、樹木希林さんの曰く、『書棚の本の数は100冊』というものじゃ。むろん新旧交代があって100冊を超えると1冊を知人に譲渡したそうな。人生の羅針盤や肥料となる本の数なんてそんなに多くはないという結論じゃな。吾輩みたいな暇人はもう少し数があるかもしれんがの、なるほど何回も読み返すとなれば100冊が限度でかつ適数かもしれんな。大いに参考になった記事じゃたの。2年ほど前にな、ニシタチの居酒屋さんで初めて遭った初老の男性が、『司馬遼太郎の”龍馬がゆく”の再読回数が5~6回になる』と言っていたのも思い出してな、そうじゃそれじゃ・・・・・・と『龍馬がゆく』を取り出して再読始めたんじゃ」
金之助「そうにゃんか? 主人先生の歳にもなると余程でなけりゃ新しいものは向かんニャン! 限られた余生、好きなことを好きなようにすればいいにゃん!」
主人先生「そうだな、何でもかんでも新物にトライせずにじゃ、『年寄の冷水』かどうか吟味しないとな」
金之助「『冷水』にゃんか? 近ごろ秋の気配がしてきてにゃん、主人先生の注ぐ飲み水は少し冷いにゃん。こっちのほうも気配りしてくれにゃん!」
▼冬の12月まで2カ月余り、新型コロナの第2波(3波?)の規模は如何なる? 今から本格的巣ごもり (場合によっては冬眠)の仕方を真剣に考えておく時期であります。
9月15日。