●「猫も冷え性」
早いもので10月も今日で2日です。台風襲来が危惧されていましたが、熱帯低気圧が発生しても台風に成長する可能性が薄れるばかりか、大陸の高気圧の張り出し度合いが例年より早いのでしょうか、この調子では今後、台風の本土上陸はなさそうですが、甘いですかね。それはそうと、この時期の忙しなさは、やはり衣替えでしょうか?
金之助「主人先生よ、この2、3日はパナマを陰干ししたり、クローゼットの隅からフェルトを取り出したりと、なにやら俄に忙しそうじゃないですか?」
主人先生「そうじゃな、ランニングも半袖シャツも麻のジャケットも・・・・・・いろいろと夏物を仕舞い、秋物と入れ替えんといかんからな。少し高価なものはクリーニングにもださないとな。忙しいぞよ。その点、君たちは換毛ですむから楽だよな」
金之助「僕にゃんは歴とした日本猫でアンダーもオーバーもあるダブルコートですからね、抜け毛だ大変ですにゃん。僕にゃんのブラッシングも忘れないでくださいにゃん」
二太郎「僕わんはシングルコートのパピヨンですからわん、換毛はありません。が、なにせ長毛なので抜け毛は目立つわん。主人先生は目敏いですからわん、掃除機嫌いの僕わんにはお仕置タイムですわん。最近はルーロなる奇妙なロボットも登場し敵わないわん」
梅太郎「僕わんは柴の雑種なので堂々のダブルコートで、しかもアンダーの量が多いときているからわん、少々のブラッシングじゃ間に合わないわん。年に2回はサマーカットされるのは手入れの手抜きじゃないかわん」
主人先生「分かっておるぞよ、金に二太に梅、抜け毛のケアはスタッフにもよくよく頼んでいるから安心してくれな。ところで金之助君よ、君たち猫は真夏にですよ、クーラーが入っているとはいえ、どうしてカーテンの外側で日向ぼっこをするんだ? ガラス越しにまともに直射日光を浴びているじゃないかい? 同じようなことを言う飼い主さんも少なくないもんな。どうしてじゃ?」
金之助「獣医先生たる者がそんなことも分かっておらんのですか? 猫は犬よりも体温調節が下手なんにゃん。冬は日向ぼっこで熱をもらっているにゃんが、真夏はこれをやるのは熱中症の危険があるにゃん。でもカーテンの影に隠れ、それに外が観れるからにゃん、居心地のいい場所を優先しているにゃん。でも僕にゃんはそんなに阿保な猫じゃありませんにゃん。暑くなれば段ボウルの冷い寝床に移動するにゃん。シャンプー(水)嫌いの僕にゃん達はにゃん、紫外線を浴びることで殺菌もしているにゃん。部屋の居場所を変えることでちゃんと体温管理はしますにゃんから、これまで同様、夏の冷房、冬の暖房は宜しく管理してくださいにゃん」
主人先生「そうかそうだよな、金之助ともあろう猫がそんなお粗末君じゃないよな。吾輩の獣医師の知識から猫の日向ぼっこが好きな理由をもう一つ教えてあげようか。しかしじゃ断っておくがな、これは吾輩だけが考えていることであって科学的に証明もなにもされていないから、ここだけの譚でな、金之助だけに教えてあげるな。それはな猫は『冷え性』ということじゃ。猫の血液量は体重の6%ほどじゃな。犬や人間は8%じゃから、体重当たりの猫と犬とでは20mlの差があるんじゃ。この数字(差)は大きいぞな。その証拠に猫の手術での出血量は犬に比べたらかなり少なくてすむんだ。こと肢の手術となると出血が少ないから楽じゃな。どうじゃ吾輩の新説は・・・・・・『猫の冷え性』・・・・・・これが猫が日向ぼっこを好む一つの要因じゃな。これはあくまで私説じゃからな、他言無用じゃぞ」
10月2日。