●「ねぐら替え」
暦の上では9月から11月の3か月が、いわゆる秋です。(正確には太陽の黄径が135度の時。太陽暦では8月上旬。今年は8月7日でした)。先週は急に気温が下がった日がありましたのでデロンギ(オイルヒーター)を出しましたが、今は部屋の隅で待機しております。
金之助「主人先生よ、専用のクローゼットが大方片付いたようで?」
主人先生「そうなんだよな、生来の物持ちの良さに加えて断捨離ができないときているからな。でも今年は箪笥を2棹買い足したからな、当分はすっきりであろうよ」
金之助「ところで主人先生よ、最近の居酒屋通いは、ご帰宅の早いようで?」
主人先生「そうじゃな、居酒屋の女将や大将も言っていたがな、最近は遅くても10時ころには皆、切り上げるようじゃな。東京では終電の30分繰り上げが話題になっているがな、田舎でもシンデレラがめっきり減ったようじゃ。新型コロナで夜の街も様変わりじゃな。老若男女問わずにライフスタイルが大きく変わりつつあるかもな?」
金之助「ほお、感染症によってそんなに大きな変革をもたらすもんなんですにゃん? 考えてみれば、われわれ猫の世界でもそうですにゃん。猫エイズや猫白血病の蔓延がその典型じゃにゃん。夜集会や喧嘩で簡単に感染するからにゃん。僕にゃんは外に出たいにゃんが出してもらえんにゃん」
主人先生「そうじゃな、エイズや白血病の前時代の猫の災禍は、車じゃったな。車に轢かれて死ぬ猫や犬がなんと多かったことか。今は放し飼いが減ったから、車を運転していても道路の真ん中に無残な姿を目にする機会が随分減ったもんだ。動物病院に運ばれてくる交通事故の犬猫も珍しいくらいじゃ。喜ばしいことじゃな」
金之助「そうですにゃんか? 主人先生は長く犬猫を診察しているから、病気の歴史も詳しいにゃん! ところで主人先生よ、そんなに早くご帰宅していったい何か得することでもありにゃん?」
主人先生「いやあ結構な充実ライフを構築できるもんじゃな。夜の6時に出勤して8時に帰るとな、まずはごろりとテレビの番じゃ。8時だとな、プロ野球も終盤戦だし、それが決着したらニュースを視てな、それでご就寝じゃ。朝は早いぞ、早い日は未明のお目覚めじゃ。それから本を読んで、ブログを書いて、そしてまたニュースを視ながらのうたた寝じゃ」
金之助「それでも呑み過ぎは禁物にゃんか? ついこの前も調子に乗ったのか千鳥足で階段をお昇りのようでありましたにゃん?」
主人先生「そうじゃな、金之助もよう観察しておるな。時間制限は長くても2時間じゃな、そうでないといくら早く寝ても朝にはアルコールが残っているからな。これからもコロナを機にしてどしどしライフスタイルを変えていかないとな。健康のためにもな」
金之助「僕にゃんの生活も変えてほしいにゃん? 有難いことに家中自在に動き回れるにゃんが、犬の二太郎君以外には友達がおりませんにゃん。時に大輔兄ちゃんが遊んでくれるにゃんが、他は全てお客さんじゃからにゃん。病院には可愛い子猫がいっぱいくるにゃん。主人先生もどこからか美人のサバトラか茶白の猫を保護してくれにゃん。よろしくにゃん」
主人先生「いやいや猫は金之助だけで十分じゃ、御免。そりゃそうと金之助は最近、塒(ねぐら)を替えたようじゃな。お気に入りの段ボールから吾輩の椅子に移動しおったな。まあ吾輩の同居人じゃからな、毛質の上物じゃからな、ガリガリだけはやめてくれよな。じゃ先に寝まするぞ、金之助君」
10月24日。