3月12日付けの「お知らせ」で内視鏡について触れました。内視鏡は「たばる動物病院グループ」では本院のみの設置となっておりますが、これは平成12年6月に購入したものです。当時、この機種は「フジメディカル」より販売されたばかりで、西日本での購入第一号が当院でありました。内視鏡のメーカーは「オリンパス」がワールド・ワイドに有名ですが、新興の「フジ」も引けを取らず高性能です。
内視鏡はヒトの病院では毎日フル活動している、不可欠の医療機器であります。東京有明の「癌研」での内視鏡を受ける患者の数は、患者として行った知人からの請売りですが、日に100人は下らないだろうとのことです。宮崎県内開業の動物病院で内視鏡があるのは当院のみですが、これにはそれなりの訳があります。まず第一の理由としてイヌ、ネコには胃癌と大腸癌がヒトに比べてかなり少ないこと、次いで検査には全身麻酔が必須なことが挙げられます。検査の必要性が低いということは、購入してもPayしないことになり、動物病院としてはCTやMRI同様に買い渋る案件の一つであります。
このような背景があるにも拘らず、無くてはならない医療機器の一つであることに疑念の余地は有りません。特に胃内異物の摘出には威力を発揮できます。従来より、内視鏡検査や胃内異物摘出の依頼症例は時に有りましたが、夜間病院を開院してから、その頻度が増しました。病院が遠くても構わないので、出来る事なら、体に傷をつけないで欲しいという飼い主が増加したようにも考えます。以下に写真と併せて、胃内異物の摘出症例について示します。
注:ヒトの内視鏡検査も短時間麻酔がポプュラーです。麻酔下でないと隅々までの探索が不可能のようです。「癌研」では20分位の短い麻酔を施し、10分位の短時間で胃・大腸の検査を網羅するようです。
- 小生に届いた「ねんきん特別便」の封筒文字のモニター画面。「内視鏡コラム」のタネにピッタシ。記録はチャンと残さないとね。
- 4ヶ月齢のミニチュア・ダックス。バリウム造影検査で胃内にボタンを確認後、内視鏡下で摘出した。
- ボタンや釣り針などは「バイオプシーカンシ」で把持して摘出する。衣服のボタンはイヌの格好の遊び道具。糸の好きなネコでは縫い針に注意が必要。かなり大きく、重いものまで把持でき
- 袋状のものなどは「バスケット」で包み・丸め込み・絡ませて摘出する。飼い主の体臭の浸み込んだ「サロンパス」などの始末には細心の注意を払うこと。
- 「宮崎県はどこ?」。内視鏡のカメラでは新聞の文字もはっきり、クッキリ読めます。実際の映像は実にリアルでもっともっとクリアです。