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2014年10月4日、暇にまかせて「独語年中」というコーナーを設けてみました。第1話は「醤油のはじまり」です。

 ほぼ毎日のように胃袋が世話になっているというか、そこに納められている醤油。糖尿病で炭水化物完全拒絶食を所望している人は別としてだが。醤油は日本で発明された。1264年、鎌倉時代に覚心(1207-1298)という臨済宗僧侶による。彼は43歳の時に入宋(につそう)。中国の浙江省寧波に上陸し、最初に径山にのぼって癡絶(ちぜつ)という僧に参じた。宋に6年滞在し由良に戻ったが、径山の味噌の味が忘れ難く、自身で味噌を作るようになった。これが今の金山寺味噌の先祖である。さて醤油の話だが、覚心が径山寺味噌を作る折、味噌桶の底に溜った液が醤油であった。それまでの調味料のひしおとは比較にならぬほどの旨さであった・・・とのこと。そう、醤油を発見したのは覚心という日本人の僧侶ですよ。出典:司馬遼太郎「この国のかたち六・醤油の話pp84-90」(文春文庫)。10月4日。

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