●10連休中の非正規の派遣社員やアルバイトの減収は全国で約550億円とも。2兆円の消費に比べたら屁の河童と、安倍ちゃんが考えているとしたら、これはボディーブロー的に政権支持率に影響しかねませんな。去る年末年始のことだが、3割が約10連休を、3割がその半分の5連休、残りの3割か4割は休みなし・・・・・・でしたか?(記憶が曖昧ですが)。今回は国が勝手に旗日を作って、ある意味、強制的な10連休ですな。その結果、収入が得られず、生活に窮する人が何と多いことか。指を銜えて旅行三昧のリッチな家庭を羨む姿を、安倍ちゃんは想像したことがあるのだろうか。幸い、わたしのところの主婦は全休はありません。1~2日は出勤してくれます。有難いことです。平成最後の日の、4月30日。
●10連休ですか。私の病院は主婦が半数なので、国が先導する休日には困惑ですな。一体全体、今の労働時間は30年前の何割なのか、計算してもらいたいものです。業種によては通信技術やそのツールなどの発達により業務効率が格段に発展したのは事実でしょうが、われわれのような業種はそうはいきません。手術をはじめ、そのほとんどが手作業ですから。事務職なんぞと同じく一緒くたするなんぞ・・・・・・安倍政権はけしからん・・・・・・と不平不満を口にする輩も多い筈ですぞ。そこで日経新聞の4月3日の「春秋」に、彼の夏目漱石先生の日記に明治天皇の御病気に対する世間の自粛ムードに関して、興味あるコラムが掲載されていたので紹介しましょう。つづく。4月28日。
▼明治45年(1912年)7月。天皇の危篤を伝える号外を手にした日の夏目漱石の日記だ。「当局の権を恐れ、野次馬の高声を恐れて、当然の営業を休むとせば表向は如何(いか)にも皇室に対して礼篤(あつ)く情深きに似たれどもその実は皇室を恨んで不平を内に蓄うるに異ならず」
▼日記を要約すると――。夏の風物詩、隅田川の花火を中止した当局の対応は非常識だ。娯楽を禁じても病状は回復しない。営業停止はかえって天皇の徳を傷つける、と批判。返す刀で新聞はしっかりしろ、とバッサリ。さすが当代一の文明人だ。思えば、私たちは昭和の終わりに「自粛」という形で同じことを繰り返した。
▼翻って、なんとも気軽な世間の新元号の受けとめだ。ツイッターで、飲料や菓子メーカーが「令和」と印字した商品を提供する、との報が拡散された。だまされまい、と疑った。が、本当だった。元号をコミュニケーションや消費の手段として楽しむ。表現や経済活動が萎縮した昭和末期の閉塞感を知る身には隔世の感だ。
▼天皇の寿命と代替わりを切り分け、社会の混乱を抑えたい。天皇陛下はそんなお気持ちもにじませ、退位が実現する。5月1日の改元の瞬間、どんな光景を目にするのか。東京・渋谷の交差点で若者たちはハイタッチを交わし、盛り上がるのか。漱石先生なら、自粛に身をすくめるより、よほど文明的だと評するだろうか。