コンテンツへスキップ

12月9日(水)-帽子の話-その1・帽子の種類

 坊主ではないが、坊主頭の人間にとって、冬の帽子は肌身離せない。この帽子、なんとも種類が多いから、形と名前を覚えるだけでも往生するが、ちょいと腰を入れて調べて見るか。
 まず素材による名称では、ソフト帽(フェルト製ハットの総称)、パナマハット(夏の天然素材のハットで原料はトキヤ草。本パナマは南米エクアドルが有名)、ストローハット(麦わらに限らず、天然草のハット。バオ・マニラ麻、人造繊維など多種)、シルク製のシルクハットがある。
 形による名称では、中折れ(センタークリース)、ポークパイ、チロル(チロリアン)、スジイリ(オプティモ)、ボンブルグ、シルクハット、ボーラーハット(山高帽、ダービーハット)、テンガロンハット(ウエスタンハットまたはカウボーイハット)、カンカン帽、ハンチング(鳥打帽、キャスケットはフランス語)、キャップ、ベレー帽など多種である。他にも聞いたことが一度はありそうなものとしては、オペラハット、アルペン、シャーロック(鹿狩り帽)、ミリタリーベレー、ベースボールキャップ、アポロキャップ、スキー帽子、飛行帽、目だし帽、官帽子、スイミングキャップ、ジョッキーキャップ、ゴルフキャップ、ターバン、セーラーキャップなど・・・・・。
 
 これじゃ、あまり明確・明瞭じゃないので、代表的な帽子を個別に説明したものがあるので、それで紹介しよう(帽子スタイル、編集・発行人 今井今朝春、平成18年9月発行)。

ソフト帽:柔らかいフェルトで作られた帽子の総称。ソフトハット。正式には「ソフト・フェルト・ハット」
センター・クリース(center crease):「中折れ帽」のこと。主にフェルト製のソフト帽を指す。クラウン(crown=山)の中央に前後にわたってくぼみ(クリース)がついていることから。
ポークパイ・ハット(porkpie hat):クラウンの形がポークパイに似ていることから命名された、スナップ・ブリム(brim=つば)・ハット。平らなクラウンの周縁にくぼみが入っているのが特徴。
チロリアン・ハット(Tyrolean hat):チロル地方の農夫の帽子が起源であるとされるフェルト製のハット。19世紀後半からファッションとして登場した。色は深緑が一般的で、飾り紐やプルーム(羽飾り)が特徴。
オプティモ(optimo):パナマ(Panama)・ハットの形状の一種クラウンの中央に盛り上がった一本の筋が入っているのが特徴。最高級のパナマハットは、この筋で二つ折りにしてくるりと丸められるほどにしなやか
ホンブルグ(Honburg独):本来は、やや先細りのクラウンにセンター・クリース、巻き上がった硬いブリムを特徴とするフェルト帽。今日ではブリムも柔らかなフェルトで作られたものが多い。
トップ・ハット(top hat、シルク・ハット=silk hat):円筒形のクラウン、平らな頂上、少し端の巻き上がったブリムを特徴とする礼装用ハット。シルク・ハットに同じ。もともとはビーバーの毛皮を用いて作られ「ビーバー・ハット」とも呼ばれていたが、絹地を代用するようになったことからシルク・ハットが生まれた。
ボーラーハット(boweler hat):イギリスで「山高帽」のこと。丸いクラウンと巻き上がった幅の狭いブリムが特徴の、硬めのフェルト帽。アメリカでは「ダービー」という。
テンガロン・ハット(ten-gallon hat):カーボーイ・ハットの一種。水が10ガロン入る程大きいという意味。冬物は革製・フェルト製、夏には生地のものや草もあり。
ボーター(boater):日本でいう「カンカン帽」のこと。平らなクラウンと水平なブリムを特徴とする、固く編まれたストロー・ハット。フランスでは「キャノチェ(canotier)」と呼ばれる。
ハンティング・キャップ(hunting cap):「鳥打帽」のこと。クラウンが1枚の生地でできている1枚天井はイギリス風。6枚はぎ、8枚はぎのパンケーキ型はフランスで流行した(キャスケット=casquette)。
キャップ(cap):頭部にフィットする、ひさしのついた、またはひさしのない帽子の総称帽子の基本形のひとつであるが、歴史的には上流階級のものであったハット(hat)に対し、18世紀頃までは身分の低い人々の帽子とされていた。19世紀以降はスポーツ用として一般的に用いられるようになった
バスク・ベレー帽(Basque beret):丸く平らで中央に小さな突起がついたクラウンを特徴とする、ベレー帽の典型。※ミリタリー・ベレー(military beret)は各国の特殊部隊などに採用されている軍用ベレーの総称。英軍空挺部隊の「レッド・ベレー」、米陸軍特殊部隊の「グリーン・ベレー」などが代表的。
ワッチ・キャップ(watch cap):海軍の兵士がデッキから敵艦や敵機を見張る際、寒さから頭を守るために被ったニットの帽子
シャーロック(Sherlock):「鹿打帽」のこと。前後にひさしのついた耳覆いつきの帽子。一般的には「ディア・ストーカー(deer stalker)」と呼ばれるが、名探偵シャーロック・ホームズのトレードマークともいえる帽子であることから、「シャーロック」の名で親しまれる
パナマ・ハット(Panama hat):エクアドル産の植物ヒピハパの繊維で編み上げられた夏用の帽子。オプティモ、センター・クリースなどクラウンの形も多様。

 今日はこれまで。つぎは、帽子のおもしろ味たのし味たしな味みだしな味・・・について考えるとするか。

 ちなみに、右上の親仁が被っているのは、KNOX(NEW YORK)製のパナマ帽である

先頭へ