●目覚めの一杯は「渋茶」に限る。渋味や苦味の元はタンニンである。分かりやすいのが「渋柿」のあの味覚である。勿論、科学的に解明されており、分子量が500~2,000で、本来の意味は「製革に用いる鞣革性を持つ物質」を指す言葉である。茶葉に含有されるタンニンは、エピカテキン、エピガロカテキン、没食子酸エステル誘導体などである。飲食あっての人生。科学的な知識も必要な世の中だ。5月8日。
●さらに時刻を表す言葉がある。24時の深夜から2時間おきに、夜、暁、明(午前6時)、朝、昼、真昼(12時)、昼、夕、暮(午後6時)、宵、夜である。一方、現在の気象庁による「時間細分図」によれば、24時~午前3時が「未明」で以下3時間ごとに、「明け方」、「朝」、「昼前」、「昼過ぎ」、「夕方」、「夜のはじめの頃」、「夜遅く」としている。また「日中」は午前9時から午後6時、「夜」を午後6時から24(0)時、「午前中」が0時から12時、「午後」が12時から24時である。5月7日。
●「十二支と時刻」。江戸時代の時刻制度は、日の出(明け六つ)と日没(暮れ六つ)を基準とした不定時法であり、昼夜をそれぞれ6等分した。6等分した「一つ」が一刻であり現在の約2時間となる。5月5日に書いたが子の刻(24時=0時)から始まり、午前2時が丑の刻、同4時が寅の刻、同6時卯の刻、同8時が辰の刻、同10時が巳の刻、昼12時が午の刻、午後2時が未の刻、同4時が申の刻、同6時が酉の刻、同8時が戌の刻、同10時が亥の刻である。もう一つの言い方は、24時が夜九つで、2時間ごとに八つ、七つ、明け六つ(午前6時)、五つ、四つ、昼九つ(昼12時)、八つ、七つ、暮れ六つ(午後6時)、五つ、四つとなる。池波正太郎は親切に今の時刻を併記している。5月7日。
●小生の「子供の頃のこどもの日」。小生の小中学校時代は、土曜日は半ドンで暦通りの学校であった。皆、貧乏であったから、家族旅行という時代ではさらさらなかった。小生の生まれた(旧)南郷村大字神門又江ノ原(またえのはる)は5月5日に地域の山際の原っぱで「親子遠足」があった。「のど自慢大会」や「宝探し」に興じた。晴天でかなり暑いその日、こっそり数人で川に行き、水浴びをした。どこにでもいるが、嫌らしい女の子が次の日、先生にちくって、こっ酷く叱られた。約40年前の「端午の節句」の記憶。5月6日。
●日本での「端午の節句」の始まりは、奈良時代である。奈良、平安時代の宮廷では、軒に菖蒲や蓬を挿し、臣下の人々は菖蒲を冠に飾ったり、菖蒲の葉の薬玉を柱に下げた。鎌倉時代になると、武家の間から菖蒲と尚武をかけて、この日を大切にする気風が生まれた。江戸時代には、端午は幕府の重要な式日となり、大名や旗本は江戸城に参上して将軍に祝辞を述べた。特に将軍に世継が生まれると、長刀や兜、幟(のぼり)などを献上した。鯉幟は江戸中期に町民のアイデアで生まれたものだ。中国に古くから伝わる登竜門の伝説になぞらえ、竜門の滝を登り切ると鯉が竜になるように、我が子も健康に育ち、将来の大出世を念願したものだ。また、男子が産まれ、順調な成長を祈願する意味もあるとされる。江戸時代の鯉幟は和紙に鯉の絵を描いたものであったが、大正時代には破れない錦の鯉幟となり、昭和30年代の半ばには合成繊維のものが誕生した。これまた奥が深い。子供の頃の「こどもの日」。5月6日。
●菖蒲湯は、5月5日の端午の節句にショウブの根や葉を入れて沸かす風呂のことを言う。菖蒲は元来薬草であり、入浴することで邪気を払う。「勝負」や「尚武」(武事・軍事を重んずること)で縁起をかつぐ意もあり。5月5日。
●端午の節句と言えば、「ちまき」=粽を食す。なぜに粽か。「中国の伝説では、楚の愛国者だった政治家で詩人の屈原が、汨羅江(べきらこう)で入水自殺した後、民衆が弔いのため、また、魚が屈原のなきがらを食らって傷つけないように魚に米の飯を食べさせるため、端午の節句の日(端午節)にササの葉で包んだ米の飯を川に投げ入れたのが起源とされる。このため、日本でも中国などでも端午の節句に(粽を)食べる習慣がある。」(Wikipedia)。※屈原はBC343年頃~BC277年頃の中国、戦国時代の楚(~BC223年)の人。楚の王族に生れ、王の側近として活躍したが、妬まれて失脚して汨羅に投身(広辞苑参考)。横山大観の「屈原」は有名。5月5日。
●十二支も勿論元は中国の文化で、子(鼠)、丑(牛)、寅(虎)、卯(兎)、辰(龍)、巳(蛇)、午(馬)、未(羊)、申(猿)、酉(鶏)、戌(犬)、亥(猪)のこと。子が11月で順を経て、午が5月、亥が10月である。方位は子が北、卯が東、午が南、酉が西の方角を示す。時刻は午前0時が子の刻、午前2時が丑の刻と言った具合である。日本人は精神の髄では、西洋よりも中国の影響が深い。敬愛を持って、努めて仲良くしなければいけない隣国だ。5月5日。
●中国は奇数を好む。五節句は1月7日の人日、3月3日の上巳、7月7日の七夕、9月9日の重陽、そして今日の5月5日の端午である。午の月の最初の午の日を節句として祝っていたが、のちに5が重なる5月5日が「端午の節句」になった。「端」は物のはし、つまり「始まり」という意味で、「端午」は元々月の始めの5の日のことである。5月5日。
●「秋刀魚に酢橘」、「団扇蝦焼に香母酢」・・・、なるほど、ゴックンものだ。どれも、食材の旨みを引きだして引き立てる。が、小生はあまりそれを良しとしない。秋刀魚や蝦(海老)類は、添えられた柑橘によって食材本来の微妙な苦味や渋味が消されるからだ。どれも同じ味と化されるから、高級食材がもったいない。せいぜい、4分の3を食し終え、味に飽きた頃合の焼秋刀魚に、香りづけに数滴、滴下する程度だ。ラーメンで言えば、残りの4分の1に、紅生姜や高菜の「カラカッチャン」を加えるのと同じ感覚だ。では、器に添えられた柑橘をどうするのか。それは、齧(かぶ)り付いて喰らう時に手指や口唇に付く骨皮や殻の汁を、拭きとるのに使うのだ。簡単には「オレンジパワー」の役割であり、「口直し」といったところだ。居酒屋で隣に座った社長風の親仁やセレブ風の御婦人が、出された焼物にいきなり柑橘を掛けるのを見ると、「オイオイ」と彼らのグルメ感を疑う。柑橘はこれにて完結(カンキッツ)。昔、灰汁巻を食った端午の節句。5月5日。
●柚子を神門では「ゆのす」という。方言だが、高千穂でも同じで、遠い高知県でも「柚子そのものと柚子を搾った柚子酢」のことを指す。これは柚子の古名が「柚之酢(ゆのす)」であるからだ。神門弁も捨てたものではない。方言だと思っていたものが、遠い平安の古語であることが少なくないから驚きだ。子供の頃は、親に「はよ(はやく)、いのす(ゆのす)を千切(ちぎ)って来んか。」とよく言われたものだ。実家では物心ついたころから、家から50メートル離れた谷辺などに3本のゆのすの木が植わっていた。猫が死ぬと、何故か、「いのすの木の下に埋めて来い。」とこれまた親に言われた。そうすると柚子の果実がよく成(生)るとの、もちろん迷信(?)である。今日は端午の節句。5月5日。
●宮崎はやはりユズだ。少なくとも小生の育った神門はユズである。一時、出荷に力を入れた時期もあったくらいだ。8月の盆やその前の暑い時節、青い柚子の皮を擦って、「冷し素麺」の薬味とする。これは最高だ。秋ともなれば黄に色付き、これを横に2分して、「鰯の尾引き」に種子ごとどぼっとたっぷりと搾ってかける。山葵を乗せ醬油で頂く。この逸品、家人にもユズ(譲)れない。九州では、皮が青い時は青唐辛子を、黄色く熟している時は赤唐辛子を、擦ったユズの皮に塩と混ぜて「柚子胡椒」を作る。拙宅にも毎年実家から送られてくる。高知県が産地として有名。冬至の「柚子風呂」も1年の疲労が吹っ飛ぶ優れものだ。そして「正月の雑煮」に一欠片入れる「柚子の皮」。吸いものには「酸いもの」の皮が合う。5月4日。
●柑橘類を挙げてみるか。柚子(和名:ユズ、英名:Yuzu)、カボス(香母酢・臭橙)、スダチ(酢橘)、ダイダイ(橙)、レモン(檸檬)といったところか。カボスはユズの近縁種で枝に鋭い棘がある。熟すと黄色くなるが、収穫時は緑色。カボスは刺身や焼魚の薬味・鍋のポン酢・酢の物・果汁や果肉を利用したジュース・菓子、酒類などの加工品に供される。そして、言わずと知れた大分県の特産品で、血栓予防効果がある。スダチも熟すと黄色だが、出荷時は青い。スダチのカボス・ユズとの相違はそのサイズで、スダチは30~40グラム程度で、カボスやユズの3~4分の1と小さい。スダチは鍋料理の具やサンマなどの焼魚に添え、食直前に絞ってかける。また食用酢としても使う。スダチは徳島県の特産品。橙色はダイダイの果実の色からだが、語源は果実を放って置けくと2-3年も枝に付いていることから、「だいだい(代々)」と呼ばれるようになったとされる。ダイダイの果実は春になると再び緑色にもどることから、「回青橙」ともいう。橙は酸味と苦味が強いため、通常、直接食するのには不適で、マーマレード・調味料・漢方薬として利用される。「先祖代々(ダイダイ)」で正月餅の飾りに用いる。5月4日。
●「桃栗3年、柿8年、梅は酸い酸い13年、柚子は大馬鹿18年、林檎ニコニコ25年」。実を結ぶまでの期間で、転じて、何事も時期が来なくてはできないという喩である。柚子はカラタチに接木(つぎき)すると、数年(3、4年)で収穫可能になる。今からが「柑橘類」の季節。ちょいと探って見るか。5月4日。
●日本の税収で法人税の割合が大きいのは言うまでも無い。世界で最も法人税率が高く、先進国では最も消費税率が低い。福祉や教育なども法人税に頼っている形だ。法人税率をEU並みにしてもらったら、設備投資が可能で、雇用や人材育成に寄与でき、延いては経済の成長と税収増加につながるのだ。小生の病院も法人であり、せめて借金が終わるまでは法人税を何とかしてもらいたいのが、正直なところだ。どこかで書いたが、多くの個人事業主は「歩く借金男」であり、「見栄の塊」である。まあ、設備投資の額は半端でないから、景気浮揚策には一番だ。事業主というのは、借金があってなんぼのもので、貯め込むような輩は少ないと信ずる。5月4日。
●KPMG税理士法人の「2008年各国法人税率調査」。法人税率の2008年度の世界平均は前年より1%低い25.9%。EU諸国は依然として最低で昨年より1%低い23.2%。アジア太平洋諸国は0.8%低下の28.4%。日本の法人税は国別では最も高く、前年度と同じ40.69%。5月4日。
●2010年5月4日の毎日新聞8面の「主要企業アンケート」。2つまで回答できる「期待する景気対策」。多いものから、①法人税減税(60社)、②雇用対策(29)、③規制緩和(25)、④EPAなど貿易自由化推進(15)、⑤エコポイント・エコカー減税再延長(13)、⑥高速道路の原則無料化(3)、⑦公共事業積み増し(3)、⑧円安への誘導(2)、⑨資金繰り対策(2)、⑩一段の日銀の金融緩和(1)、⑪子供手当の満額支給(0)の順だ。5月4日。
●小生の愚妻と彼女の実家は「神門茶」のファンだ。「八十八夜の別れ霜」。神門は霧が深いので美味い茶がとれる。愚妻もさすがにこの季節、茶葉の具合が気になってか、小生のお袋に問うていたが、「今年は3、4月の寒気と降霜で茶はてんでだめじゃが」との返答。高浜虚子の歌に「霜害を恐れ 八十八夜待つ」とある。霜が降りなくなり、農作物被害の心配がほとんどなくなる。昔(少なくとも小生が中学生の頃まで)はこの時期、籾を播いて(播種)稲の苗床を作った。八十八は「米」の字につながる。春が短かった今季、冷害や台風被害が少ないことを祈ろう。5月4日。
●5月1日からの連休は今日で4日目。29日から休みの人は6日目。5月2日は「八十八夜」であった。小・中学の頃は、GWに旅行に行った記憶は全くない。「何をしていたのだろう」と何気に懐旧するに、「茶摘み」を手伝わされた記憶が強い。八十八夜は「立春から88日目。陽暦5月1~2日頃にあたり、播種の適期とされる。茶どころでは茶摘みの最盛期となる。」(広辞苑)5月4日。
●午前5時、新聞を読む。今、県内は牛と豚の「口蹄疫」で農家や行政の関係者など試練を強いられている。今日の毎日新聞の21面「宮崎」の「支局長からの手紙」を読んでいて、認識の欠如(見識の無さ)に唖然とした。「「鹿児島県の小学校2校が、5月に予定していた宮崎市への修学旅行に行く先を変更したという。私たちも繰り返し報道しているように、口蹄疫は人に感染しない。感染した肉は市場に出回らないし、仮に食べても人体に影響はない。専門家の一致した見解だ。むしろ、児童の「修学」のいい機会にできたのでは、と思えてならない。」」との文。問題は「口蹄疫の感染源」であり、宮崎と肩を並べる「畜産基地・鹿児島」が憂慮するのはウイルスの持ち込みを考えてのことで、健康被害では全くない。小生の実家も牛の繁殖農家だ。庭先には消毒場を設け、発生地域近辺への遠出も控えているのが、実態である。早期の終息を祈るばかりだ。5月3日。
●最近は前夜の「ちょい呑み」で就寝が早いため、朝が早い。今日は3時前には起きたので「未明の起床」だ。4時半に「入院」をチェックに病院へ行く。皆、問題はない。そして、夜間病院から送られてくるレントゲンを見て、その後これまた夜間からファックスされた症例に目を通す。そうしていると新聞配達のバイクの音。つい此の間までは6時ごろの配達であったが、5月ともなれば、温もりと夜明けが早くなった所為であろう。50(歳)にもなればオジンだ。酒量も減り、生活パターンの変更を余儀なくされつつある。5月3日。
●メイウェザーの戦績は今回の勝利で41戦41勝0敗25KOとなった。2007年の「世紀の一戦」でオスカー・デ・ラ・ホーヤを2:1の判定で下した他、アルツロ・ガッティやザブ・ジュダー、リッキー・ハットン、ファン・マヌエル・マルケスなど強敵をマットに沈めてきた。第2ラウンド、モズリーの右パンチを2度浴び、2度目の一撃では一瞬膝が折れたが、クリンチで凌いだ。その後は一方的な展開であった。長谷川穂積との「差」がそこにあった。さて、ボクシングファンの興味はメイウェザーV.S.マニー・パッキャオ戦へ移った。試合後のインタビューでメイウェザー曰、「パッキャオが試合前の血液と尿検査の条件をのむかどうかだ」。5月2日。
●3日前から録画予約をしていた「シェーン・モズリーV.S.フロイド・メイウェザー」。やはり来た、急患の手術。15センチもあるプラスチック製の杭と約5センチの石ころを飲みこんだ10歳のゴールデンレトリバー。まずはバリウム造影で胃内に異物がある事を確認し、次いで内視鏡での摘出を試みた。2つの欠片は取りだしたものの、その他は食道噴門部を通過できず、開腹手術に切り替えた。出るわ出るわで、飼い主の申告以外の異物もちらほら。約3時間を費やし、お陰でボクシングの生放送は見れず。今、ビデオを見終わったが、勝負事はやはり「生」でないと緊張というのか、血の沸き具合や血の躍り具合が半減する。5月2日。
●今日はWOWOWで「シェーン・モズリーV.S.フロイド・メイウェザー」の生放送がある。診療に身が入らない。5月2日。