コンテンツへスキップ

今週の親仁ギャグ・2010年6月20日(日)~6月26日(土)

アメリカと日本の獣医大学の大きな違いは5つ1つ目は、アメリカの獣医学生の就職先は8割が臨床である。2つ目は、4年生大学卒相当の単位取得後、新たに4年の獣医過程を積む(必要な単位を取得後、たに獣医大学を受験する)。3つ目は、日本のように卒論として研究室単位で基礎研究に従事させることなく、特に4年時はポリクリで臨床一色である。アメリカは、原則学生を研究に従事させることはない。ポスドクなどの有給の研究者が教授の指導のもと実験を行う。4つ目は、基礎系の教官も、例えば腎臓病などの講義を担当する。というよりは、基礎系研究の前に臨床獣医師として活躍していた教官が殆どである。最後の5つ目卒後教育の充実であり、単年度か2年度で所定の講義・講習を受けなければ、臨床医として働き続けられないシステムになっている。要は日本の獣医大学は、卒論と称して無給で学生を労働提供させているのである。学生も、そうこうしている間に、入学当初の夢が萎(しぼ)むのである。6月26日。

●「子供が獣医になりたがっているのですが、収入が低いのですね」。これはあるクランケのボヤキだ。今の時代、職業別年収などネットで比較的容易に調べられる。獣医学科のある大学はその人気の高さから、獣医学科に受からなかった学生が、同じ農学部の他の学科へ流れるケースが少なくない。ところが最近、獣医志願の受験生が減少してきた。開業する為の資金調達が困難なことや、診療の苦労の割に実益(収入)が少ないことが原因にある。今週の問題提起である「獣医師の給与アップ」は実現可能か。それは、投資に見合う診療料金を全国的に確立させることであろう。特に手術技術料や先進的な高度獣医療に関しては、料金設定の根拠を広く啓蒙する必要があるのだそれよりも先に、大学が単に国家資格を取得する場所ではなく、世に通用する教育を実践しなければならない。開業獣医に教育や開業のイロハを委ねるようでは、獣医師の社会的地位も上がるまい。6月26日。

日本のマスコミは日本を悪くしていないか。ワイドショーも昼のニュースも、夜のニュースも、そして夜中のニュースも、ワールドカップのシュートシーン。1チャンネルで30回は映像を流したであろう。明け方に見た人間にとっては、反吐が出るくらいウンザリだ。参院選も公示されたことだし、他にもネタはあるだろうに。6月26日。

●FKで本田圭佑が決めた無回転シュートのゴール。無回転シュートはボールが回転していないため、軌道はボールの回転の影響を殆ど受けず、ボールが空気中を進むことによってできる乱流の影響を受けるのだ。その時点での空気の流れやボールの縫い目などに左右されるため、どのように変化するかが分からないのだ。軌道が読めないから、GKが捕球態勢に入っていたとしても、全く手に触れないこともあるのだ政治家の無回転頭も、意外性を発揮してもらいたい。6月25日。

日本×デンマーク戦は3対1で圧勝だ。イタリア×スロバキア戦を観終わり、日本×デンマーク戦を予約して、テレビをつけたまま就寝。案の定、3時半にはぴたりと目が覚めた。フランスやイタリアの予選敗退が決まったが、ラグビーかサッカーしかない欧州の強豪が敗れるのは想定外だ。昨年のWBCが想い起されるが、チームワークの重要性が示された格好だ。従来の日本の戦法は、小野伸二や中田英寿、中村俊輔のいわゆる司令塔がピンポイントでボールを前線に送り、受けたフォワードがデフェンスを躱してシュートするというワンパターンであった。今大会は俊輔のコンディション不良からか、戦法を思い切って変え、多角的にしたのが奏功した形だ。岡田監督の手柄は大だ。次のパラグアイ戦まで、「勝軍の将は多くを談ぜず」、「勝軍の将、大いに兵を語る」でやって貰いたい。6月25日。

参院選公示の今日、宮崎では3人が立候補したが、渡りか風見鶏か知らぬ人が1人、ハリモグラ(針土竜)か真打崩れの落語家風な頭髪の人間が2人。なんとも頼り甲斐のない風貌だ。彼らに問いたい事。日本は外貨を稼ぐ科学技術・工業立国を目指すのか、それとも鎖国的な自給自足の国を目標とするのか、アメリカの核の傘の下で一体いつまで属国でいるのか、沖縄の負担軽減の具体案は何か、働けるにもかかわらず就労しない輩にどこまで社会保障を尽くすのか、教育はゆとり教育派か怠け派か、詰め込み派か、それとも教育勅語派か、はたまた徴兵制派か、年金は何年後に統一するのか、農業はジリ貧派か、それとも自給率70%派か、口蹄疫被災農家の具体的再建策は何か消費税は10%かそれ以上か、消費税は福祉目的税派か、高速道路はじめ公共インフラは受益者負担派か、無料派か、公務員は何割削減か、改正公務員法に対する貴殿の独自案は何か、独立法人や公益法人の改革や天下りに関しての貴殿の独自案は何か、・・・・・テレビの討論会は、候補者の勉強度合いや見識、先見の明などを問う番組であって欲しい。政党人である前の、1人の人間としての政治理念や政治信条が分かる内容にしてもらいたい。6月24日。

●今回の口蹄疫感染源が、仮に輸入稲わらとしよう。では、輸入せずに純国産の稲わらか、それの代替品を考えなければならない。「農業の最低所得保障」よりも、稲わらを生産する農家への補助はどうであろうか。若者で農業をしたくても農地がない。個人所有の農地をどこの馬の骨ともしれぬ若者に、ほいそれと貸地提供できないのも分かる。やはり、ここは国や県が休耕地を借り上げて、就農意欲の高い若者に提供すべきであるこれが政治というものではないか政治屋、いや失敬政治家さんよ、水稲をまともに作れる次世代の若者がどのくらいいると思いますか。農業を馬鹿にしてはなりませぬぞ。6月23日。

●喜ばしい事に口蹄疫の新たな発生が4日間ない。今日の宮日新聞の一面は感染源のリサーチだ。中国産の稲わらがあやしい?との推測も。某大学獣医学科の教授も車などによる感染ルートの解明が重要と指摘。違うだろう。海外旅行で人間が運ぶか、鳥が、猪や鹿が、果ては風が運ぶという口蹄疫ウイルスの感染源やそのルートを探ろう何ぞナンセンスだ。それよりも最も重要なことは、早期発見・早期処分である。風邪であろうが、下痢であろうが、通常とは少しでも違う疑わしい症例では、すぐにウイルス検査を実施することだいつもの病気との違いを嗅ぎわける、それを見落とさない勘を研ぎ澄ますのは、現場の獣医師しかいないのだ能が無い「公務員獣医師」は、きちんとした「口蹄疫防疫マニュアル」を作成し直し、それに則っての検査を粛々と実施すればよいのだ。6月23日。

きよう23日は沖縄戦終結から65年。1945年6月13日、自決した海軍中将・大田実の電文を想う。「沖縄県民斯ク戦ヘリ 県民二対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」。涙が出る言葉だ。国や国民一人ひとりは、これを読んで何も思わないのだろうか。6月23日。

●明日は休み。土砂降りの中、律儀にニシタチへ。口蹄疫にワールドカップ、記録的集中豪雨。ニシタチから悲鳴が聞こえてくる。県外からの観光客がめっきり減り、閑古鳥が鳴いている。平日休店の店もちらほらで、中には長期の休店を知らせる張り紙も見られる。世の親爺諸君、今だから、こういう危機的状況だからこそ、「ニシタチ」へ出向こうではないか。6月22日。

●そうだ、今週は獣医師の給与の話であった。勤務獣医師の給与は医師の約半分であろうか。歯科医師よりも僅かに少ないようだ。人間の病院と動物病院との大きな差は、国民皆保険があるかどうかだ。人間の病院の場合、宮崎で診察や手術を受けようが、東京の銀座で診て貰おうが基本的に治療費が同じである。多少無駄な検査を受けようが、2割か3割の負担なのであまり文句を言わない。動物病院では上手い口上で、言葉は悪いが、飼い主を騙して不要な検査をして売り上げを伸ばす。これも経営のテクニックと言ってしまえば、そうかもしれないが、普通の善良な人間は心が締めつけられよう。殊、手術の技術料は人間の数分の1しか請求できない。東京の名高い病院では、人間並みの診療代が貰えるとも聞くが、少なくとも田舎では限界がある。仮に人間と同等な診療代金が請求できれば、勤務獣医師に今の2倍の給与を払えないことはなかろう。6月21日。

●先週、ニシタチのある居酒屋で隣の席に居合わせた名のあるお医者が曰、「現在の日本の医師不足(医療崩壊)問題は、旧帝国大学医学部が臨床を軽視し、基礎研究に重きを置いたことに起因する。今もそういう体質が残っている・・・」と。今春、これまたニシタチのショットバーで偶然居合わせた某獣医大学の教授の曰、「獣医大学の統合や改革が遅々として進まないのは、結局は○○○大学の意向が強いんだよ・・・・・」。好き勝手に書いたが、30年も40年も何ら変わっていない獣医学教育に、何らかの早急な行動が必要なのは確かだ。大学や教官の既得権益によって、社会が大きな損失を蒙るのは如何なものか、関係者は自問自答してもらいたい。6月21日。

●基礎系には「動物病院のイロハは卒業して開業医から習えば良い」と言って憚らない、立場知らずで世間知らずの教官も少なくない。獣医大学の基礎研究室は、あくまでも対象である小動物や産業動物での基礎研究であって、人医や薬学などの分野にまで踏み込むべきではなかろう。獣医学の基礎研究は動物の生命や生産に関わる領域に還元されて然るべきだ。6月21日。

●取り敢えずの「臨床獣医学教育」はアメリカの専門書や翻訳本を活用すべきである。その方が手っ取り早いし、なんと言っても優秀な獣医学生のためであり、動物のためでもある。そうは言っても、アメリカの請売りでは獣医大学教官のメンツがない。そこは10年かけて猛烈に努力するしかなかろう。6月21日。

●そこで、旧態依然として、まんねりと続いている公務員獣医師養成のための日本の獣医大学教育を抜本的に改革する必要があろう。食肉検査員は、必ずしも獣医師である必要はなかろう。例えば4年生大学卒でその後に2年の専門教育を受けての「国家資格」ではどうであろうか。保健所も家畜保健衛生所なども、獣医師の資格がなければ業務に支障がでるものでもなかろう。薬学や理学など、ウイルスや分子生物学に秀でた才能をもつ若者はごまんといる。逆に、臨床獣医師が不向きとの理由で、安直に公務員獣医師へ流れるのもどうしたものか。公務員獣医師にならなくとも、ほかに気のきいた職種はそれこそごまんとある。要は、臨床系獣医大学の拡充を図らなければ、社会の要望に応えられる獣医師の教育は不可能なのが現状である。6月21日。

●臨床獣医教育の充実を図るため、というよりも社会の要望に応えるべく、獣医大学の統合問題が浮上したのが20年以上前。山口大学と鳥取大学が岡山大学へ、宮崎大学と鹿児島大学が九州大学へ移設され、学部へ格上げされる案など幾多の構想が生まれ、そしてその度に消滅したことだろうか。いまだに統合案があるようだが、何も進んでいない。正直、日本の獣医大学発信の研究が臨床の現場で役にたつものは殆どない。アメリカはじめ外国の教科書や専門書、翻訳本、専門雑誌で日々の診療をこなしているのが現実だ。6月21日。

●それが証拠に、新卒の小動物病院勤務医は採血はおろか何もできないのが普通である。ひどいと専門用語も病名すらも知らない。手術も初めて見るものが殆どで、手術に必要な解剖なんぞ、とんと頭にない。6年前に獣医大学に入学してきた若者が、これほどまでに体たらくするのはなぜか。それでも最初に夢見た開業獣医師を目指す者は、まだ立派だ。半分以上の学生が夢にトライすることも無く、公務員獣医師となるのだ。6月21日。

●毎年約1千人が国家試験に挑戦し、その約9割が晴れて獣医師となる。医師国家試験のように60点以上でなければ合格ではなく、1割を不合格とする、おかしな「獣医師国家試験」である。と言うのは、9割を合格させないと新年度からの食肉検査や保健所など公務員業務に支障をきたすためである。口蹄疫は家畜保健衛生所の管轄で、そこも獣医師の持ち場である。要は、日本の獣医大学は公務員獣医師を教育しているようなものなのだ。6月21日。

●某大学獣医臨床系教室の教授の話。「開業獣医師は雇用している獣医師の給与をもっと上げるべきだ」。東京に就職している卒業してこの春で2年目のある獣医師の給与は、さていくらだろうか。ズバリ月23万円。1年目は22万円で、1年毎に月1万円の昇給という。賞与は夏1ヶ月、冬が0.5ヶ月という。これが高いか安いか、いろんな意見があろうが、これが相場であることに間違いはないようだ。6月20日。

先頭へ