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今週の親仁ギャグ・2013年5月19日(日)~5月25日(土)

人生2万日。20,000割ることの365(日)は54.79452年(歳)で親仁の年齢だ。これは栄養が貧弱で医療(まともな薬)もあるかないかの戦前までの日本人の寿命の話だが、最近のトンネル天井板崩落事故腐食しきった水道管など公共の建造物や設置物の映像を見せられると、どうも生身の人間に限ったことではなく、人工の万物は50年という歳月の経過でガタが来るのだろうか。橋など地上にあって衆目を浴びるものならまだしも、地下の埋設物や周りが大気でない地下鉄や地下街の構造物は全体像を掴めないから余計に不安が募る。一体これらのガラクタを今後この国はどのような方策でリニューアルするのだろうか。安倍ちゃん政権誕生から半年、アベノミクスの「大胆な金融政策」・「機動的な財政政策」・「民間投資を喚起する成長戦略」の3本の矢も、的が遠すぎるのか、目が薄くて見通しがきかないのか、肝心な成長戦略の具体策がちょいと遅鈍にして大風呂敷ではないか。「国家公務員の3年連続最下位評価は分限免職」という(選挙に向けての票取り公約。何故か今、マニフェストは死語らしい)活きの良い案もあるが、(池田勇人内閣ではないが)「10年で農業所得倍増」の訝(いぶか)しいこと極致のフレーズもある。10年で2倍の前に「補助金ゼロの自立農業」だろう。地方交付税のカットで7月からの地方公務員の給与が減るのか、減らされるのか・・・(地方の)マスコミは黙(だんま)りの音沙汰なしだが・・・実はどうなっているのだろう。親仁論としては、例えば宮崎県の平成25年度一般会計の当初予算の歳出は5,661億円で、うち人件費は1,5200億円(全体の26.9%)。国家公務員並みの7.8%カットなら118億5,600万円が削減される。その(浮いた)税金の全てを既存のインフラ整備に充てたらどうであろう。地域の建設業関係者もどん底の窮地から救われるであろうし、「ニシタチ」も少しはそのお零(こぼ)れが流れるであろう。夜な夜な徒然(このところのおじん化で流行?)に想うことだが・・・。前年度(平成24年)比マイナス0.5%なので、当初予算は削減(7.8%)を盛り込んでいない模様。5月24日。

●腹腔内腫瘍が1センチか2センチ以下の大きさで早期発見可能なら、癌死するイヌ、ネコも相当数で減るに決まっている。そこが田中耕一氏に期待する理由だ。わずか15年の寿命なのに、毎年CTやPETなんぞは負担が過大でできる訳ない。ましてや開腹して診るなんぞ虐待だ。小さな腫瘍から産生、分泌されるマーカー物質。的中率が80%を超えれば手術をする価値も出てくるかもしれない。そうなるであろう近い将来、ペット診療は大転換を迎えよう。つづく。5月23日。

●詳しくは「症例の紹介」を覗いて下され。イヌとネコの乳癌も発生率が高く、怖くて厄介な疾患だ。初回発情前の避妊手術を強く勧めている。また、癌ではないがイヌの子宮蓄膿症は生涯9割の発症率のため、たばる動物病院では小型犬であれば10歳でも避妊手術を勧めている。ダックスフントの椎間板ヘルニアもイヌの生涯で9割の発症率(それ以上かも知れない)。肥満や生活習慣を厳しく指導している。われわれの分野で最も難敵は、目に見えないところに発生する癌だ。特に腹腔内の腫瘍だ。元気と食欲が衰えた時点での来院は手遅れの確率が高い。遺伝子検査研究の進展も重要だが、それよりも腫瘍マーカーの方がより実際的であろう。2002年ノーベル化学賞受賞の田中耕一(1959~)さんは今、主に癌をターゲットに血中の特異的微量物質の検出に尽力していると聞いた。動物もヒトの研究に遅れずに乗っかって難治性の疾患の治療開発に邁進してもらいたいものだつづく。5月23日。

ヒトに限ったことじゃない。癌はイヌ、ネコでも今や死因の第1位。ハリウッドの大女優が予防的に両側の乳腺を摘出して話題となっている。この考えは今始まったことではない。親仁の記憶では20年も前、イギリスの婦人であったと思うが予防的に両側の乳腺を摘出した。遺伝子検査の無かった時代、祖母も母も若くして乳癌で亡くなった。彼女は子育てを終えると手術の決断をした。乳癌の家系で遺伝子が「濃い」と判断したからだ。きのうの新聞で、今度はイギリスの男性が予防的前立腺摘出手術を受けていたと・・・報じている。彼は家族が乳癌や前立腺癌に罹り、BRCA1遺伝子を調べたところ変異が見つかり、それまで手術を渋っていた病院も彼の要望をのんだということらしい。このBRCA1遺伝子の変異は乳癌や前立腺癌の他に卵巣癌にも関連しているという。「アンジェリーナ効果」か「ジョリーショック」か知らぬが、乳癌のリスクが87%から5%まで下がるのだから手術に踏み切るのも分かる気がする。BRCA1遺伝子の変異がある無しで、乳癌の発生頻度は5%(20人に1人)が87%(20人中17.5人)に急増するのだから、恐怖の厄介ものだ。予防的前立腺摘出は今回の英国人男性が世界初ということだが、乳癌に関しては聖路加病院でも患側の手術の時に、同時に健側(乳癌のない)の乳腺を摘出していたという。たまさかのような報道だが、たまたま大女優で話題化されただけで、実際にはもっと多数の症例があるのだろうか。つづく。5月23日。

●さきの「文豪の味手帳~池波正太郎が愛した食の世界~」。死(1990年=平成2年5月3日)の4日前(同4月30日)、病室で最後に口にしたのが「金目鯛の煮付。銀座「いまむら」の差入れという。それに病院で出された空豆の小さくつぶしたのを食した。それが文豪で食豪の最後の食物であった。最近、ホスピスで死期がさし迫った患者に、最後に何がほしい(食いたい)かを聞いて、病院の調理師が拵えて供するという。バッテラもあればハンバーグもあれば鋤焼もあれば・・・・・・希望に沿うものだ。いよいよ死期が迫った時、池波正太郎をしても「何も思い浮かばない」ほど食欲が落ちた。旨いものを喰いながら死ねるのは脳梗塞か脳内出血か心筋梗塞くらいなもので、良い例が築地の料亭「新喜楽」(芥川賞と直木賞の選考が行われる)で1975年5月に倒れた佐藤栄作元総理(ノーベル平和賞受賞)。そのホスピスでは食欲が落ちた患者にステロイドホルモンを注射するという。一瞬、これは異で奇なことと思ったが、それもそのはず、われわれ獣医療では相当むかしから普通にやっていること最期をどこで迎えるかはその時の余裕の度合によって考えるとしても、最後に何を喰らうかについては今から常常想っておくことだね。ある意味、愉しい思考かも知れぬ呵呵。5月22日。

●一度だけ乗ったブルートレイン「富士」。宮崎が新婚ブームの頃、お嬢様やお坊ちゃんや御令嬢や御曹司は宮崎から鹿児島へ、あるいは大分あたりまで足を延ばしたかも知れぬが、その多くは宮崎空港で乗り降りしたことだろう。寝台特急「富士」の宮崎打ち切りは昭和55年10月のダイヤ改正時。それでも東京駅-大分駅間は2009年3月まで走った。このブルートレイン「富士」、宮崎着が午後だったのとまる1日かかったので新婚旅行に不向きであった。しかるに1974年の新婚旅行客の多数は空路であったろう。宮崎の新婚旅行ブームの火付け役で立役者は故岩切章太郎(1893~1985)。氏は1893年5月8日生まれで、今年は生誕120年。青島-日南海岸の大地のキャンパスに絵を描いた人間だ。その手腕を買われ、また東大時代の同級生である岸信介と懇意であったことからもか、佐藤栄作元首相に全日空の社長就任を要請されたが固辞して断り、生涯を宮崎観光に命を削って宮崎に骨を埋めた男だ。去る5月8日、宮崎市役所脇に毅然として中村町の我が家を向く「岩切章太郎翁像」の前で、OGガイドさんたちが「フェニックスハネムーン」を唱って120本の赤いバラを献花した。観光宮崎の再生はありうるのだろうか。所詮人材なのか。資本なのか。資源なのか。それにしても池波正太郎先生が搭乗した飛行機の座席は片側3列だったのか、4列だったのか・・・気になってしょうがない。5月21日。

●先の池波正太郎の記述は、宮崎が新婚ブーム絶頂のころ。男の作法」は昭和59年の発刊で、その「10年前」のことと断ってあるからだ。ということは昭和49年ごろの事件。昭和49年は1974年。宮崎の空前の新婚旅行ブームは1960年代後半から1970年代前半の10年間で、ピークは1974年というから「事件」とピッタリ合う。1974年の国内の結婚は100万455組で、そのうちの37万184組が宮崎を訪れた。人数にして74万368人。現在の宮崎空港利用客が300万人を割っているから、その多さには驚愕動転だ。当時は往復どちらも飛行機の利用だろうから、新婚さんだけでも利用客数は年間148万736人。ギョ、ギョギョ~ッものだ。つづく。5月21日。

そもそも橋下徹の選んだパートナーが悪かった。民主党が自爆で破滅の憂き目を見たのは、「A級戦犯合祀大万歳」から「日教組の親玉」が同居し、右往左往していたから。日本維新の会も「侵略」の域が広範囲だ。侵略を侵略としない、政策も政略もへったくれも無い、自国民から見ても危険人物がキャピタルのドンに居座り近隣諸国に喚いても「狗の遠吠」の範疇だが、バランス感覚が必須な日本の総理にはなれっこない。5月21日。

池波正太郎先生の「男の作法」(昭和59年11月25日発行・新潮文庫)の40~43ページの『結婚』というタイトルのエッセイに宮崎のことが書いてある。以下。「びっくりしたのはね、もうこれは十年ばかり前の話だけど、九州の宮崎へ講演旅行に行ったんだよ。講師がぼくとだれかと三人ぐらいで、飛行機に乗ったらあとはみんな新婚なんだよ。ちょうど結婚式のシーズンだったわけだ。グーッと飛行機が上がると、チュッチュッ、チュッチュッというキッスの音が飛行機の中に充満しているんだ。君、これは本当なんだよ。それでぼくは週刊誌の人に、『一回、結婚シーズンのときに、新婚旅行に同乗してルポをやってごらんよ』と、言ったくらいなんだよ。スチュワーデスも真っ赤になって下を向いて歩いて来るんだよ。一組や二組じゃないんだからね、乗っている新婚がみんなやっているんだ、チュッチュッ、チュッチュッ・・・・・・。異様な音がするんだよな。・・・・・・・」。このつづきは書店に行って求めるかネットで注文して手に入ったら鎮座し冷水をコップに用意した後、人によっては鼻血を覚悟で読み進んで下さい。何しろこれは下り(往路)の機内の光景であるからして序の口ということで。何分、大先生に宮崎の椿事を春字で書き留めてもらえてありがた哉。つづく。5月20日。

●きょうの★★★。「文豪の味手帳~池波正太郎が愛した食の世界~」。BS朝日で9:00PM~10:54PM。果然、健啖家の真髄を2時間堪能。自然、昔読んだ「池波正太郎」のエッセイ文庫本を並べてみた。写真有つづく。5月19日。

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