●高杉晋作の攘夷は、御殿山の英国大使館を焼打ちにして、それに怒った列強が幕府に戦争を仕掛けてくるのを敢えて目論んだ。(司馬遼太郎「世に棲む日日三」・「焼打ち」)。列強が蒸気戦艦で攻めてきたとしても高高2万人程度であり、数十万の兵(つわもの)の日本軍は、逆に彼らを撃破する・・・ということだ。(徳川幕府の開国主義は天領地の港を外国との貿易のために開き、その儲けは幕府独自のものであって、300余藩には一文たりとも渡らない)。要は、外国に日本国土を攻めさせて、彼らを撃ちのめし、同時に幕府も解体滅亡させようという魂胆であった。これは高杉晋作が上海(当時中国はアヘン戦争の後で、実質は列強の占領下にあった)に幕府の随行員として渡海した折に考案した攘夷と倒幕を成し遂げる策であった。オバマ・アメリカの世界的権威に翳りが見え、中国が台頭し、世界の各地で戦争と紛争が増してきている今日(こんにち)、特にアメリカの「力」が衰亡した分を日本が被る(背負い込む)というのは如何なものか。「徴兵令」は無いというが、「自衛隊入隊」者が今でも少ないのに、集団的自衛権でさらに入隊が減るのは必至。「徴兵令」が国会で議論にのぼるだけでこの国防の問題は切羽詰まった感がある。つづく。7月15日。
●「集団的自衛権」の国会審議を傾聴するに、どうもペルシャ湾やらホルムズ海峡の機雷掃海やらテロやらを引合に出すから面倒な講釈が要るようだ。周辺諸国と思いきって名指ししたらどうだろう。歴史的に見てもアフリカや南米やら中東と日本が直接的に全面戦争したことはない。中国と朝鮮半島とロシアである。アメリカやヨーロッパと交戦したことも確かだが、アメリカ大陸やヨーロッパまで派兵して全面戦争するには地学的に可能性が薄い(真珠湾奇襲はあったが)、実際そうであった。「周辺諸国」に限定した論議をすればすっきりするようで・・・アメリカにもそんなに無礼非礼ではあるまい。つづく。7月15日。
●安倍ファシズム横暴で支持率が降下し始めた。それにしても民主党はじめ野党の不甲斐無さ。今こそ攻め際なのに戦略も戦力も謀略も何も無し。かつての総理経験者も大臣経験者の名手も沈黙で、マスコミ上は「行方不明」状況。このままじゃ、安倍ちゃんが総理の座にいる限り、中韓との首脳接近は無理。こじれにこじれた、にっちもさっちもいかぬ、抜き差しならぬ、これまでに関係が冷却し墜ちたら悲哀の窮状。憂国深遠な野党の誰かがいま狂気の挙兵をしなければ日本丸の議会政治は崩壊沈没だ。平成の高杉晋作は何処に眠っているのか。7月13日。
●これまた当てにならぬ気象庁の中期予報で、「冷夏」予報が一転しての「猛暑」か・・・という。エルニーニョ現象の和らぎが根拠らしいが・・・何しろ「天任せ」の気象庁の見解だけに耳を貸す気もしないが・・・。問題は「平均気温が1度上がればその経済効果は何と驚くなかれ5千億円」という。アベノミクスの第3の矢が蛙の小便みたいに小飛行で的を射抜きそうもない現実が・・・まさに「天任せ」の様相だ。本来なら適度の冷夏の方を「吉」とするところだろう。原発再稼働を好まぬ多くの国民の望むところだ。イスラエルとパレスチナ。シリアにイラク。それにウクライナ。一部はロシアとアメリカや西欧との代理戦争。莫大な武器が使用される戦争。分っていながら武器を売って儲ける国や企業(日本もこれに仲間入りし加担しようとしている)。天気と戦争を比べては巨大台風とにわか雨、クラスター爆弾と手榴弾との威力差を論ずるようなものかもしれぬが、悪をもって商売しようとする輩には徹底抗戦したい。7月13日。