●「二兎を追う者は一兎をも得ず・その2」
▲政府や都がオリンピック開催に躍起になっているのはわかりますが、世界ではお祭り騒ぎどころではないというのが実際でしょう。日本も今の感染拡大が春まで持続するようなら今までの苦労が水の泡と化するのも自然かもしれません。オリンピックは7月23日から(一部競技は21日開始)8月8日までの日程です。
▲果たして世界のワクチン接種はそれまでどれ程進捗しているのでしょうか。そもそも我が国の接種が2月末に始まったとしても少なくとも6月末までに何割の国民がワクチン接種を受けているのでしょうか。いまからワクチン接種のスケジュールを明確にしていなければ遅いと言えます。
▲東京オリンピック開催が第一義で、医療崩壊回避が第二義で、三番目が国民の財産生命・・・・・・これがガースーさんや二階老爺の願望なんでしょうか。「二兎を追う者は一兎をも得ず」・・・・・・経済と新型コロナの両立を目指し、それがバランスよく進行することで、そしてワクチンの効果を待つことで、全てが上手くいくのが理想です。がしかしガースーさんの目論見は残念ながら崩壊した感があります。
▲そうはいっても日本人は辛抱強く他人思いですから、今回の緊急事態宣言発出で最悪のシナリオを目の当たりにすることはないでしょう。そう願うしかありません。
つづく。1月8日。
●「二兎を追う者は一兎をも得ず・その1」
▲1月7日、ガースーさんは1都3県に非常事態宣言を発出するとの会見をしました。イギリスを例にとると、人口は日本の半分ですが、現在の1日の新型コロナ感染者数は5万人とも6万人とも報道されています。日本の人口に換算すると10万人を優に超えることになります。きょうの東京都の新規感染者数が2447人で、全国が7570人ですので、まだまだなんて思っちゃいけません。
▲東京都の1か月前の1日の感染者数は500人前後でしたから、今はその約5倍まで膨れ上がっています。欧米の医療はどのようにこの難局に立ち向かい対処しているのでしょうか?
▲色んな問題が挙げられています・・・・・・
①日本の感染症分類では、Covid-19はⅡ類に位置付けされており、感染が確認されれば入院処置が必要であり、消毒も徹底することが義務付けられています。これをインフルエンザ並みのⅤ類に格下げればとの意見が根強くあります。
②Ⅴ類にすれば、感染が確認されても入院処置は必須ではありません。消毒も特に必要ではありません。このため医療従事者の負担は今よりも格段に軽減されるとの見方がありますが、そう簡単にはいきません。
③インフルエンザと同等の扱いとなれば、Covid-19の感染者は市中に野放しとなり、確実に感染者数は爆発的に増加します。これに伴い重傷者数も比例して増加するのは疑いのないことですから、死者数がスペイン風邪並みか、あるいはスペイン風邪の数倍になることも容易に想像されます。
④そこで重症者は無論、中等症者をどのようにして治療管理するのかが問題となります。日本の病院のベッド数は160万床であり世界一を誇っています。しかし、これは言わずもがな今回のような感染症を想定しているものではありません。インフルエンザの10倍も感染力の強いとされるCovid-19の患者を入院させるとなると、病院はたちまち院内感染を引き起こし、抵抗力のないCovid-19以外の入院患者も不幸な結末になってしまいます。医療従事者も同じ運命です。
⑤これらのプロセスは火を見るよりも明らかです。医療崩壊もへったくれもない状況です。
つづく。1月7日。