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今週の親仁ギャグ・2016年7月10日(日)~7月16日(土)

●今回の参院選は改憲勢力派が3分の2を獲得したものの・・・・・・果たして与党の完勝・・・と云えようか。①民主党の過去の”惰政”と現在の腑抜けの民進党を思うに、民進党は善戦したと云えよう。共産党との共闘が功を奏してのか・・・? ②東北圏と長野、新潟を加えた東方面での与党が振るわなかった・・・西日本に比べ安倍政治への不満が高いのであろう。③参院選での結果に強烈な危機感を感じて奮い立った鳥越俊太郎氏・・・76歳の高齢で、残りの人生を国の為、都の為に尽力すると言う・・・その決意に、われわれはまだまだひよ子の子供・・・人生の設計を練直さねばなるまい・・・よき起爆剤となろう。7月13日。

参院の改憲勢力が3分の2を超えた。衆院は既にそうであるから憲法改正の発議が可能となったのだ。きょうの毎日新聞の1面主筆の小松浩氏の「馬車よ、ゆっくり走れ」に共鳴した。特にその見出し(題目)の引用にである。昭和の偉大なる日本画家のひとりである東山魁夷の著作がそれである。小松主筆は「高度成長が陰りを見せ始めた45年前、日本画家の東山魁夷は欧州紀行文『馬車よ、ゆっくり走れ』で、魔的な力の暴走をやめ、謙虚さと調和を大切にする、人間らしさの復権を説いた。日本社会への警鐘でもあった。」 と。東山画伯の原文を見てみよう。

ある朝、馬車を走らせて田舎道を進んでくる人がある。よほど急ぐとみえて砂塵を立てて走って来た。道端にいたティルの前で馬車が止り、『次の町まで何時間かかるかね?』と聞く。
ティルは馬車の様子を見て答える。

そうさね。ゆっくり行けば4、5時間だね。急いで行くと、1日がかりかね。
人を馬鹿にするな
と、男は怒って馬に鞭を当て、前よりも早く馬を走らせた。2時間ほどで馬車の車が壊れ、次の町へようやく辿り着いたのは真夜中だった。

いまや、驚異的な科学の発達も、機械文明の過度の進展も、畏れを失った人々も、すべてが、狂的で、魔的な力の暴走の中に在る。それが、『人類の偉大な進歩』であるとしても、ブレーキが必要であることは、もう、誰の眼にも明らかである。そのブレーキとなるものは、いま、多くの人間が失いつつある、素朴で謙虚で、自然との調和を考え、情緒と潤いを大切にする、人間らしい生き方ではないだろうか。
ティル・オイレンシュピーゲルの声が聞こえる。

馬車よ、ゆっくり走れ!
夏は終わった。私の旅も、いま終わろうとしている。河風は涼しく、燈火をきらめかせ、爽やかな音を立てて河は流れている

                          
 横山大観(1968~1958)、川合玉堂(1873~1957)、菱田春草(1874~1911)ら現代日本画の創生期に活躍した錚々たる面々に続けと、朦朧体とは俄然異なる、深遠なる雅美の作風を発明した東山魁夷。同じ岩絵の具を(岩彩)を20回も30回も塗り重ねる手技である。画伯の絵を眺めていると「日本人に生れてよかった」とか「日本ってなんと美しき国なんだろう」と想う。その画伯が高度成長期の暴走を憂えているのである。政治家には独裁者の暴走を抑止する力が乏しい。広く尊崇される画伯のようなあるいは文筆家のような人々の提言を、際どい時代であればあるほど、時代が望んでいるのだろう。そういうだれにでも納得される偉人が少ないように思える。

※日展の三山:東山魁夷(1908~1999)・杉山寧(1909~1993)・高山辰雄(1912~2007)
※五山:上記三画伯に創画会の加山又造(1927~2004)、院展の平山郁夫(1930~2009)
7月11日。

イギリスのイラク参戦に対する検証報告書が7月6日に発表された。朝日新聞デジタルによれば、「英ブレア政権が2003年にイラク戦争に参戦した経緯や侵攻後の占領政策を検証した独立調査委員会(チルコット委員会)が6日、報告書を公表した。参戦の決断を『(フセイン政権の)武装解除の平和的な方策を尽くす前に侵攻に参加した。軍事行動は当時、最後の手段ではなかった』と断じた。開戦から13年を経て戦争を検証した報告書は、自国政府の判断や評価の過ちを厳しく指摘する内容となった。イラク戦争は、フセイン独裁政権の大量破壊兵器(WMD)の開発・保有という誤った情報を大義に米英主導で始まった。委員長を務めた元北アイルランド省次官のジョン・チルコット氏の声明や報告書は、イラクでの軍事行動の決定について、『法的根拠があると決断する状況にはほど遠かった』と結論づけた。WMDについても、化学・生物兵器の開発が続いているとの情報は『確実』というレベルになく、核兵器も『経済制裁が適切な形で維持されている限り開発できなかっただろう』と指摘した。(朝日新聞デジタル 2016/07/06 22:57)」。そして今のISのテロがある。イギリス同様にいち早くアメリカに同調した日本の総括はなされている中途であろうか・・・・・・総括も反省も、それからの歴史展望も何もないから、戦争が始まるんじゃないですか。日本の日本人の悪しき性質は歴史と忠実に真向から向き合わないことです。それも踏まえながら、今から選挙に行ってきます。つづく。7月10日。

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