コンテンツへスキップ

隠居獣医の戯言-その3・何故に犬は減るのか-

下の写真は、前回登場した林良博先生の著書、「日本から犬がいなくなる日」の68ページで引用されている「年間繁殖頭数10頭以下の小規模なブリーダーが大幅に減った」と題したグラフです。元の出典は、一般社団法人ジャパンケンネルクラブの資料です。

ペットフード協会(東京)によると、21年の飼育数(推計)は、犬(約710万匹)と猫(約894万匹)だけで1600万匹を超え、15歳未満の子ども(約1493万人)の数を上回る。」(2022年5月24日 読売新聞オンライン)

この数字は、人、犬の両者において極めて衝撃的です。それでもなお、2040年には犬の数が今の半分の約350万というのですから、気絶しそうな数字です。

なぜそこまで犬の頭数がへるのでしょうか。原因として、①犬を飼うそもそもの人口減少、②若い人の収入が低く、犬を飼う経済的余裕がない、③物価高(フード代など)や病院での予防・治療費の高騰、④子犬の販売(購入)価格の高騰、⑤犬を飼える環境の変化(出生後56日の販売制限・マイクロチップ装着義務・スタッフ1人当たりの飼養頭数の制限・近所迷惑など)

そして、⑥ファミリーブリーダーの著減による犬の出産数の激減(上のグラフ)です。因みに欧米での犬の飼養頭数は右肩上がりです。

次回は、どうしてファミリーブリーダーが減ったのかについて考えます。つづく。

※令和4年6月1日から開始した「犬と猫のマイクロチップ情報登録」制度について

「令和4年6月1日から、ブリーダーやペットショップ等で販売される犬や猫について、マイクロチップの装着が義務化されています。つまり、ブリーダーやペットショップ等で購入した犬や猫にはマイクロチップが装着されており、飼い主になる際には、ご自身の情報に変更する必要があります(変更登録)。さらに、他者から犬や猫を譲り受けて、その犬や猫にご自身が獣医師に依頼してマイクロチップを装着した場合には、ご自身の情報の登録が必要になります。
民間登録団体が個別に実施しているマイクロチップ情報登録事業とは異なりますので、ご注意ください。」(環境省 動物愛護管理法)

先頭へ