●津波火災が最も激烈であったのが岩手県山田町と、今回訪問した宮城県気仙沼市です。東日本大震災により東北地方を中心に1都16県で発生した火災371件のうち、いわゆる「津波火災」と考えられるものが4割超(159件)を占めるそうです。震災発生の3月11日に出火した気仙沼市の火災が鎮火したのは11日後の23日でした。陸に限らず湾内も燃えました。出火することのない重油が長期火災の原因だそうですが、出火と延焼のメカニズムは不明な点が多いそうです。どうも壊された瓦礫の屑と強風が絡んでいるそうなのですが・・・・・・。気仙沼の消失面積は約10万㎡とされています。つづく。6月15日。
●もちろん調べてみました。陸前高田市を流れる川は気仙川。海伐130メートルの愛宕山を宅地などを造成する高台にするため海抜50メートルまで削る巨大プロジェクト。発生する大量の掘削土を地盤沈下した約300haの面積に、これまた巨大なベルトコンベヤーで運搬する。その量たるや毎日2万立方メートル(ダンプ4000台分)。ダンプなら10年かかる工期だが、それでも4年を要する。かさ上げされる高さは最大12メートル、大半が10メートル超という。総事業費も巨額の約1100億円。陸前高田市の震災前の住宅数は約8200戸で、そのうちの約4割にあたる約3400戸が被災。地権者約2200人の住宅再建のための造成と区画整理であり、1世帯当たり約5000万円が費消される。震災後8年が経過した現在も傍目には遅々として復興が進んでいないように見えるが、10mもの盛土が固まるにはさらに時間がかかるということだろう。つづく。6月9日。