●「学問というものは、実行しなければ、何の役にもたたないものである。」。3カ月ほど前になるか、ニシタチの割烹のカウンターで隣のお客(一見さんの70歳ほどの御夫婦)さんと雑談していると、紳士の方が「『竜馬がゆく』はもう5、6回は読んでますよ」とのこと。人はどうして読書をするのか。当の龍馬はあまり読書をしなかったらしい。城下のある蘭学塾に通った折、軍学か何かの翻訳の講義中、部屋の隅の柱を背にして座っていた龍馬が突然、「先生、その話はおかしい。辻褄が合わない」と指摘した。先生が後で読み直したところ、龍馬の言うとおり、誤訳であった・・・・・・と、司馬さんの「竜馬がゆく」のどこかに書いてあったと記憶しているのだが、今探してもそう簡単には見つからない(5回も6回も読まないとダメだな)・・・・・・ので諦めて、今こうしてブログ中だ。河合継之助が主人公の「峠」も居酒屋談義で、読んでみようかと思った作品だ。数年前、隣の初対面の若い女性と読書の話になり、「司馬さんなら『峠』がいちばん好きです」の話に、そうか女性が好む河合継之助とは何人(なんびと)かと思い、翌日から読み始めた。「学問(読書)というものは、実行し(実用的で)なければ、何の役にもたたないものである。」・・・・・・ということか。つづく。9月18日。