これは大阪万博のシンボル「太陽の塔」の作者、岡本太郎(1911~1996)のフレーズです。一世を風靡したCMのキャッチコピーでもあります。凡人の耳には漠然、曖昧模糊的な言語ですが、何となく「言い得て妙」にも感じます。
あの市ヶ谷割腹事件で自決した三島由紀夫(1925~1970)の岳父である杉山寧(すぎやまやすし・1909~1993)が残した言葉があります。
「絵画は、決して実在するものの再表現ではない。実在するもの以上の生命感をもって訴えかけるものが創作できなかったら、描く行為の意味は空しい。」
すんなり五臓六腑に納まるような言葉です。杉山寧は日本画、日展の三山のひとりです。他には東山魁夷、高山辰雄です。
杉山寧は三島由紀夫割腹後の数年間、その責任を感じたのか、(断続的に)筆を絶ったとも。